海ロケは、晩秋のノルマンディーで、ロータスはタイ、チェンマイ郊外で。
とか言いたいけど、すべて茨城県某所です(笑)。
いろいろとイメージに合った場所を探しました。
搬入のためまず近くまで車が入れること、人が少ないこと。
撮影の許可不必要もしくは許可が得やすいところ。
風景の中にノイズがないこと。
条件に合う、近場でぴったりの場所を探すのは思いのほか大変でしが、
基本的に、
作品によく合うのは、
どこも自分の好きな場所として普段からよく知っているところ。
ひそかにとっておきの場所でした。




夜明けころから潮の引くのを待って、作品設置。
旗だけがはためく眺めが、ためいきものの美しさだった。
すごく贅沢な、期間限定、時間限定、観賞者はメンバーと釣り人限定の作品展示でした。
作品タイトル「グイィ」はゲール語で、風。すごくシンプル。
風ははためく旗で表現しよう。と決まった。
なので、そんな小道具も前もって制作。
旗を持って後ろを歩く男は従者のつもりだったのです。
著者近影はやめて、これにしよう。
となんとなくその場ノリで決定。
思いのほか面白く撮れた中から関さんがセレクト。
こうやって、定点観測をしているとあっという間に潮が満ちて、また引いて行くのが分かります。こちらが動かずじっと待っていて初めて感じる大きなリズムのようなものがあるのです。
犬の散歩をしていたおばちゃんが、カメラを構える首藤さんに
「なんだか神々しいねえ。」
とぽつりとかけてくれた一言がうれしかったなあ。
おばちゃんグッジョブ!
そうだとも、僕らは今、訳知り顔の評論なんてちっとも嬉しくないの。


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とある神社の裏手の鎮守の森をお借りして、2回に分けて撮影。
撮影の様子をひっそりと樹の蔭からのぞきみたりするのがなかなか味わいがあってよかった。
ここでの小道具は赤い綿布を裂いて作った赤い手綱。
これは結構長さがある。
実際は森の向こうは崖になっていて、その先は太平洋が広がっているのですが、
海から紐の一方が来て、最後はまた、崖のほうに消えていく、
というシチュエーションなのでした。
例えるならニライカナイなのです。
実際ここの祭神はスクナヒコナ神だから、
古事記によればもともと海の向こうから船でやってきて、
オオクニヌシノミコトとともに出雲建国に腐心し、
やがてまた海のかなたに帰ってゆく、小さな神様なので、そんなストーリーもちょっと意識をしたのです。
下見の時は、この神社のささやかなお祭りだったらしくて、
近隣から集まった氏子さんたちにお菓子をばーって撒いていた。
結構酔っぱらった神主さんのろれつの回ってない口調の
説明がすごくおかしかった。
神主さん、快い撮影許可、ありがとうございました。
そうそう、写真の隅にかわいく“雉”が居るのわかりますか?
雉の鳴き女(ナキメ)のお話は出雲の国譲りの話の中で出てきます。
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蓮のシーンが、撮影日程的には最後になりました。
8月。花の咲くのを待っていたからです。
ルビジノのすぐ近くです。
一日つづく天気雨、狐の嫁入りかな?
唯一あった傘はもちろん大切なカメラのため。
みんなびしょ濡れ。まあいいか。かえってシャワー浴びれば。
おかげで、しっとりとしたアジア独特の湿度が写し込まれていて、
絵的にはかなりおいしいシチュエーションでした。
白客は白鷺のことなのですが、
本当のシラサギがやってくるかも。なんて待ってましたが、
上空を通り過ぎるだけで、見向きもしてくれませんでした(笑)。
何やってんだ?ニンゲン達。
まあそんなにうまくいくわけないのです。