茨城に暮らして、安くておいしい地場モノ。
梨、栗、葡萄、マッシュルームにメロン。
なかでも蓮根は一大産地だけあって、農協でもどこでも、
秋冬春のシーズン中はどこでも手に入る。
だから家でもよく食べるし手土産にも喜ばれる。
すっかり我が家の食卓のおなじみになった蓮根。
なのに、なのに、これは初めて食べる蓮根だった。
ルビジノにたまたまいらした蓮農家のお客さんにいただいたもの。
8月に入ってからお盆明けくらいまで、たった半月だけ収穫される
夏レンコンのそのまた一番先の芽蓮の部分。
なにやらかなり特別なものらしい。
土浦でも一部の農家は東京の市場や料亭などへ出荷し、
高値で取引されているというが、
少量のため、おそらくそちらでもほとんど知られてはいないそうだ。
地元でももちろん出回らないから僕らも普通に食べられない。
それを生で食べてみた。
驚いた。
色は象牙色。食感は梨。
生でもえぐみが全くなく、なんとほんのりと甘みがある。
なんて繊細な食べ物。
ほんのちょっとの塩で食べてみて、それでも十分立派な一品だったけど、
料理するとしたらどうするのが一番いいんだろう?
その辺は素人だからなあ・・。
なにより、しゃくしゃく噛むと果汁のように水が出てくるのに驚いた。
よく、珍しいけど、味はそれほどでも・・とか、
懐かしいけど、まあそれなりの大ざっぱな味、ってある、
場の雰囲気とか記憶とか希少性に味わいは大きく左右される。
でも、そういうものを丁寧に取り除いてみて
あえて利き酒するみたいに初めてのレンコンを食べてみた。
結論として、これは、正直そうとう美味しいものだ。
こういうものに出会うと、地元ならではの本当に贅沢な味覚だなあ、
としみじみ思う。
また食べたいのと
お勧めしたい人もたくさんいるけど、
なにぶんどうやって手に入れていいかわからない。
あの農家のおじさん、来年もう一度来てくれないかなあ。
8月のルビジノで売ってくれるといいのになあ。