2008年04月14日

解体

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 それにしても良く雨が降る。
春に3日の晴れ無し、なんていうけれど、本当だな。

先日の爆弾低気圧のために、結局今年もゆっくり花を愛でる、という時間はあっという間に過ぎてしまった。

とはいえ、そんな天気に関係なく、
合宿が終わってから、僕は来る日も来る日も、
アトリエで木を彫っている。
言うまでも無く、すごい迫力で近づきつつある、像刻展の準備だ。

今日も午前中、鑿を振るっていたら、
携帯に着信。

近所に住むオトモダチの大工、たけちゃんから。

「あい〜どうも〜!(イバラキ風味で)。前川さん、祠探してたよねー。」

「うん、そうそう。何?見つかったの?」

「うん、今、M市の解体現場なんだけど、でっかいのがあるよ。他にもいろいろ板とか建具とかあるよ。」

「え!?見たい!行く!」


それで今日は制作ストップ。
すぐに車で家を出る。
さらに話を聞くと、
電話をかけている彼の現場は、
家から車で1時間あまり行ったところの町にある、
料亭かららしいとわかった。
その敷地はとんでもなく広い。
その庭の一角にある、氏神の祠はわらぶきで、庵のようなたたずまいの珍しいものがあるということだった。

実際に見てみると料亭の建物の一部はそうとう古く、増改築を繰り返し、広大になり、
どうやら、近年は料亭というよりは、宴会場のように使われていたところらしい。

床板に使われている、幅70センチはあるかという立派な欅の1枚板をはがしているたけちゃんの傍らで、
僕も物色。

残念ながら、すでにギョウシャサンが入っているようで、建具の類は名前が書かれて、予約済み。


長い杉板の座机や、トイレの金具など、セオリーどおり、
マイナスドライバーではずしていく。

うーん、でも思っていたよりも収穫は少なかったなあ。
床板なんかはどれもすごくいいものなんだけど、これを手作業ではがすのかあ?
と思うと、ちょっとなえてしまった。

祠は、そんなに古くなくておまけに大きすぎてちょっとこれは。

でもこんな建物。
アトリエに出来たらいいのに、、。

広くて、日光がふんだんに入って、
搬入搬出も楽珍そう。

もったいないなあ、とは思ったけど、
実際見てみると、使われなくなったそこは、
数え切れないほどの数のいろいろな人たちの時間が染み付いた、“廃墟”にしかみえなかったので、
まあこれがこの場所の寿命なのだろうな。

その欠片だけいただいてきて、いずれまた何かに再生して。誰かに。
僕に出来る、ささやかなリノベーション。

あー、でも今日は気持はちょっと切り替わったよ。
ありがとうね、たけちゃん。





 
posted by 前川秀樹 at 19:32| Comment(0) | LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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