ずっと前、三浦半島のどこかに住みたくて、家や土地を探し回ったことがある。
波の全く立たない小さいけれど深く切れ込んだ入江や、岸辺ににひしめくように並ぶ漁師舟の青や緑の色が彩りを添えている。
なだらかな丘の畑のモザイク模様とアップダウンのある細い道や、
すっくと立つ風力発電のスマートな風車や
断崖に浮かぶいくつものとんびの飛影に、、、。
いろいろな好みのモティーフが散在する場所だったからだ。
ただ残念ながら、僕の仕事にはある程度の空間の広さや、搬入搬出の利便性がどうしても必要だった。
他にも材料調達の手軽さなど、さまざまな条件が不可欠であるにもかかわらず、
狭い半島の中でそんな都合のいい物件はそうそうあるはずも無く、結局縁無し、とあきらめたのだ。
とはいえ、不思議と人との縁は出来て、
今だ続く知り合いも何人か居る。
昨日は三崎に近い長浜というところにある、
とある施設で打ち合わせだった。
3月の末にある合宿造形ワークショップの下見だったのだ。
今回は横須賀のグループと栃木足利のグループの合同合宿。
2グループとも代表者の先生とは旧知の仲。
風光明媚な海岸に面する、絶好のロケーションに建つこの施設で、
前にワークショップ「貝のナイフを造る」
というのをやったのは、1998年。
なんと10年も前になる。
打ち合わせに来てくれた中の一人、高校3年生の男の子
ああ、そういえば面影があるぞ。
前に参加してくれたときはすると、君は小学校2年生!?
ああ、僕も歳もとるわけだよ。
10年たった今、
僕は茨城でアトリエを構えている。
縁のあった土地は、残念ながら
海のすぐそばでは無いけれど、
満足している。
海岸を歩く。
それは紛れも無く僕の原点で、
漂着物を手にしながら、ぶらぶらする時間は
今も変わらず頭と体のリセットタイムなのだ。
昨日、打ち合わせの合間の少しの時間だったけれど、
久しぶりに歩いた。
あの岩まで、あの岩まで、次はあの大きな流木のところまで、、。
決まりがあるわけではないのに、
いずれ引き返さなくちゃならないことは知っているから、
自分で区切りをつけて。
そのうち知らず知らずリセット完了。
10年分成長した良いワークショップになるといいなあ。
横須賀と足利の皆さん。
多いに楽しみましょうねー。
【関連する記事】
三浦半島にいらしてたんですねー!
私は今、葉山町のはずれの長者ヶ崎の海岸の前のタイ料理屋で毎日海を眺めて暮らしてるんですよ。
3月末、ぜひぜひ長者ヶ崎にもよっていってくださいませ。
木彫のスプーン作りのワークショップの一日のことがとても丁寧に書かれています。
私も家の桜の枝でスプーンを作ってみたいと思いました。まず、ひとりで黙々と・・から始めてみます。もう一つわくわくしていることは、。これも「暮らしの手帖」に載っていたマーガレット・ハウエルさんのお好きなオレンジケーキ。庭で育っている鳴門オレンジで作ってみることです。
そうなんですよ。実は行ってたんです。
先日は時間のゆとりが全く無くて。
タイ料理屋、必ず次は伺いますよー。源氏名?何だっけ?(笑)楽しみにしてます。
こんにちは、情報早いですねー!!
本もう出てました?
うちには昨日やっと本が郵送されてきて、掲載されていることを本人が知ったばかりだというのに!
このブログにもまたアップしようと思ってました。
スプーン楽しかったですよ。
今年もまた数回、ワークショップ予定があるんです。
穂高は雪ですよ!!ブログ発見で嬉しいです。
チャイは元気ですか?
門扉もだいぶ痛んできました。
遊びに来てください。
お久しぶりです。見つけられちゃいましたか(笑)
門扉も随分たちますもんね。
松本に毎年行くことなくなって、なかなか伺えないで居ます。
また何かの機会にあわせて伺わせていただきます。
ワクワク・・・・。