先日のこと。
作品の最終レタッチをしていて幾つか、気づきがあって、
例えば
もうあとほんのわずかスパイスが足りないんだよなあ。
なんかピリッと一箇所異素材を使えばいいのかもとか、
作品にもう少し確かな ”風土とのつながり”が欲しいんだけど、
自分で採集した土を使いたいなあ。
とかそういうちょっとした
ほぼ完成を見ている作品に対して
今更蛇足かもしれないけど、
搬入直前に及んで素材の採集に出かけることにした。
そんなことやってる場合か!
と突っ込まれそうだが、思い立ったら仕方がない。
というのがたて前で、
その実、
緊張感とか閉塞感とか不安感とかそういうモヤモヤ
からのていのいい逃亡である。
茨城県某所
護岸工事のされていない川の底を歩いていると、
流れに削られた土の壁の露出に気がつく。
あの上の方に出てるなあ。
ちょっと青っぽい。きれいないい色だ。
もっともあれはいわゆる”濡れ色”なので
乾くと白っぽくなってしまうだろうけど、
一応確認。
青っぽいのは鉄分を含んだ土が酸素の少ない土中で作られた色。
鉄が何でも赤っぽくなるわけではない。
赤色が酸化作用で青色が還元作用。と
むかーし授業で習ったような。。。
黄色っぽいのと、黒っぽいのも合わせてちょっとずつ採集。
使えるといいんだがなあ。
川底の石にはまた色々面白い感じのがあって、
これは珪化木。石炭とはまた違う木の化石。
木の成分がケイ素(シリカ)と入れ替わってできる。
だから木の導管や年輪がそっくり残っているのに硬い。
端っこの方のヒビに赤瑪瑙の脈が走っているオマケ付き。
瑪瑙もまた二酸化ケイ素なので硬い
これは素材にはならないけど洗うときれいになりそうなので
持ち帰り。
あ、雨?
と思っていたら間もなく土砂降りに。
残念、今日はここまで。

で翌日まずは天日干しから開始。
まあなんとか土絵の具として使えそう。
乾くと予想通り青っぽさがほとんどなくなってしまったけど。
実際、
今回の一部の作品に反映されていますよ。
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