「月長石」 楠 桂 2016年

広島 ギャラリーたむらでの像刻個展まであと残すところ一ヶ月を切りました。
6月4日(土)が初日です。
タイトルは「翠雨連綴」すいうれんてい と読みますよ。
6月ですし、入梅の深緑色の霧雨のやむまでのあいだ、誰語るともなく綴られる、
取り留めのないごく短いお話の数々。
雲が切れて細い筋のような光が落ちてくればそこまででおしまい。
始まりも終わりもない。
そんなイメージで全体を仕上げました。
あ、訂正です。
これからそういうふうに仕上げる予定です。
一点一点あえて深く考えない、意味や技法をいたずらに練ろうとしない。
その都度脳内に降りて来た言葉や映像を出来るだけ新鮮なままで定着させる。
年末のDEE’S像刻展を終えてからあっという間でしたが
今年に入ってからそんな事を日々こころがけながら、制作してきました。
瞬きの間に霧が晴れるように消え去ってゆく夢の残滓を
まとまりのない拙い言葉に置き換えてゆくような
そんな短編集です。
実際、夢うつつでみたものを捕まえてその日そのまま彫る、
今回はそういうケースもしばしばありました。
さて、どうなりますやら。
一年半ぶりの広島展、
夢うつつで、いやいや、ちゃんと覚醒して広島に向いますのでご心配なく(笑)。
在廊日は 4日と5日の二日間を予定しています。
皆様、会場でお会いしましょう。