2012年11月27日

野天彫り。

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風はあったけど今日は陽光があるだけありがたい。
昨日は一日中、冷たい雨がブルーシートをたたいていた。
像刻展の出品の最後の作品の素材に
とっておきの楠を選んだのはいいとして、
そのあまりの重量故、アトリエまでの人力移動をあきらめ、
野天で彫ることに。
いい季節ならまだしも、
とにかく寒い。木枯らしが。
ダウンを着こんで防寒対策をほどこすも、
日が陰ると地面から冷えが急激に来る。
でも地べたに座り込んで鑿を振るう。
そんな日々がそろそろ10日続いている。
ああ、屋根と壁とストーブが恋しい。

でも考えたら、石彫のひとは基本野外だし、
いやいや、植木屋さんだって、道路工事のひとだって、農家のひとだって
同じようなもののはず。
そうだよなあ、寒い寒いって言ったって、僕なんて一時だけだもの。

それに外で一日やっていると、
色々な変化に気がつく。
湿気が出てきた。とか、雨雲が伸びてきた。
とか、庭のねむのきに今日はエナガとコゲラが来ておるな、とか、
向かいの椎の木のカケスがギョーギョーうるさいなあ、などなど。

アトリエにひきこもると、そういうことは切り捨ててしまいがち。
だから、伐採木を刻むという
シンプルな出来事に呼応して
これはとても本来的な作業環境なのかもしれないなあ、
とも思う。
 
とはいえ、そんな味わいはさておき、
締め切りに間に合わなかったら、なんにもならない。
だから心中モノスゴイ焦燥感でいっぱいの今日この頃。
12月11日が搬入。
ほんとに出来上がるのか?
こんなペースで。

いやいや、そもそも会場までどうやって運ぶ?

今追い込みの一番の難所を迎えていますよ。
間に合わせますので皆さん楽しみに会場までいらしてくださいね。
posted by 前川秀樹 at 19:17| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする