2012年07月25日

夜半の声再び。

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日が暮れてしばらくすると、どこからともなく響いてくるかすれたキツイ声。
ケヒッ! キヒー!
油の差してない自転車のブレーキ音。あるいはきしむドアのちょうつがい。
 
それが啼き始めて約ひと月になる。
最初、一体何の声かと驚いた。
家の前の大きな椎の木あたり、ちょっと離れた木立の暗がりから、老人ホームの前の電線のあたりから。
鳥?には違いないだろうけど、こんな夜中に啼くのは
鷺かヨタカかフクロウくらいしか知らない。あ、鵺ことトラツグミも夜啼く?
でもどれとも似ていない。
気になってその夜ナイトサファリ開始。
夜中、懐中電灯と骨董品の双眼鏡を持って啼き声に忍び寄る。
やや!いた!
はるか頭上の電線に一羽とまってる。
懐中電灯の光もちゃんと届かないけど、なんかでっかいよ。白くて。
と思ったら飛んだ。
なんだあれ?
あんな大きいの?この距離で広げた翼の大きさも70〜80pくらいにみえるよ。
その大きさにもかかわらず、羽音はまったくの無音。
ひらひらと白い風呂敷が舞っているみたい。
あ、また飛んだ。
ふわふわと今度は別の個体。
星のない真っ暗な空を音もなく横切る白いもの。
なんだか物質感の喪失したような奇妙な眺めだった。
その姿だけだと無声の幻燈を見てるみたい。
反してその鳴き声のなんと強烈なアピール。
ケヒッ!ケヒッ!
控えめな虫の声を圧倒するかのような強烈で耳障りな摩擦音。

フクロウの仲間には違いないだろうけど、
ふくろうってホーホー ボーボー啼くんじゃないの?
 
結局正体が判明したのはそれから約2週間ほどたってから。
木偶ワークショップでおなじみのイガラシさんのまえで
啼き真似をしてイガラシ検索。
こんなの。分かる?

そうしたらそんな不完全で劣化した情報でイガラシさん、
家で調べてくれて、ようやく正体判明。
ありがとう。
フクロウ科フクロウの雛、親に餌をねだる。の図、だった。
成鳥は翼開長90p。体長40〜50p。そりゃでかい!
そうそうそれくらいに見えた。

そうかー、それで親の鳴き声をyou tubeで調べても分からないわけだ。
しかし巣立った後にものすごいアピールするんだな。
ごはんー!ハラヘッター!
声はそりゃまあ大きい方が得だ。

それから約ひと月。
何羽もまとまって聞こえることはなくなったけど、
それでも家から聞こえる範囲で毎夜のようにあのきしむ自転車は坂を下る。
ケヒー!キヒー!

一体いつまで親フクロウは鼠やトカゲを運び続けるんだろか。
大型の猛禽って手間暇がかかるもんなんだなあ。

早く大人になってほーほーボーボー聞かせておくれよ。
窓から遠くに見える真っ暗な木立のシルエット。
あの物憂げな啼き声を夜半、夢うつつで、聞く時間が僕は大好きなんだけどな。
普通の田舎の住宅地だけど
そういう鳥が生息できる程度の環境は
まだ整っている。
そんな漠然とした手前勝手な目安でも、
ほんの一時の安息は感じられるからね。



posted by 前川秀樹 at 06:55| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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