異界感。
庭のハルジョオンの花とか家の壁とか洗濯ものとか、
そういう、当り前の風景が、
そっくり紗がかかるみたいに
光が変わるだけで別のものに見える。
裸眼なのに、色が違う。そっくりの顔をした別の風景が、
みるみる自分の周りに降りてくる。
風がすうっと吹いて。
木漏れ日の形が、奇妙だったり。
あ、思い出した。これ。
中島みゆき、夜会のvol.4
「金環触」
孤高の女性天文学者とアマテラスが対比されていて、
彼女が床をコツコツと敲く。それはモールス信号。
CQ CQ ダレカイマスカ イキテイマスカ・・・・・。
アマテラスの孤独。
そして、アメノウズメという女性(神)の生き方。
時代の中ですり替えられた母系と父系。
歪曲させられた女性性。
そのしなやかさと大胆さ。
待つ。
たったそれだけ事の重大さ。
アマテラスのあり方に、日本人女性の原形を見出す試み。
みたいなことも、彼女自身がテレビで語ってたような気がする。
泣かないでアマテラス、って曲が僕は好きだなあ。
なんてことをつらつら思い出したりして。
天体の異変は地上に住んでいる沢山の人にとって
大事件なんだなあと思う。
まあ、今はお祭り的な扱われ方だとしても。
誰が扇動しているわけでもないのに
自分と同じように、たった今皆が同じ時間にいっぺんに太陽を見上げるなんてことも
こんなこと以外にないと思うし。
去年末に広島で。月蝕をみたときにも
ちらっとそんなこと思ったな。
町の大通りで、酔っぱらいもホテルの従業員も、コンビニの店員も
みんな同じものをみてる。
その時ばかりは、スマートフォンの画面をみてなくて、
疑似的な何かでなくて
生で世界をみてる。
自分の目で。
そんな風景が興味深かった。
ああ、あれがアマテラスなんだなあ
今日みられてよかった。
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