二日目
6jyoプロジェクト以来のお付き合いで、
何度かワークショップもさせていただいた、桜製作所永見社長に無理にお願いして、
作業場を見せていただく。
ここも何度か入れていただいているけど、
やっぱりすごい。マニュファクチュアの真髄ここにあり。
そういう空気が好きだ。
すごい備蓄量のブラックウォールナットに圧倒される。
その後は併設された、ジョージナカシマ記念館の見学。
それぞれの作品のいわくや物語を職員トヨダさんのレクチュアを受けながら
見る触る。座る。
高級モダンだなあ。ハイソサエティだ。
永見社長どうもありがとうございました。
さて、昼だ讃岐といえばあれだ、ねえ?あれ。
マッキー、今回はどこがお勧め?
今回はここ。手うち10段に挑んでみようかね(笑)
ぶっかけ中でこの量。多いな。天ぷらはちょっと欲張りすぎた。
あいかわらずのコシですなあ。
で、午後は本日の2か所目。
木工作家?というよりもデザイナーかな。
松村君の工房アンチポエムへ。
こんなですよ。
このトタンの味!市内を見下ろすロケーション。
高松市内でもこちらはちょっと山の方。
このトタンの大きめの小屋が彼の城。アンチポエム。
松村君も6jyoプロジェクトでの縁。
彼はその頃
まだ独立前で桜製作所の若きエースだった。
僕のバケツチェアの制作を担当してくれた。
床がきれい。掃除が行き届いてるなあ。きれい。
これは性格だよね。
工房の壁には彼のイマジネーションのほとばしり(笑)
こちらもほとばしっとる。
ろくろで引いた砲弾みたいな木片に顔を描きいれて完成する「ぽっくん」
自家製ゆるキャラ、一部で浸透中。
正確無比なシンプルデザインに定評があるアンチポエム
だが、こういう遊び的な振幅が、思いもよらぬところから
社会の隙間を付く。
平たく言えば、着眼点のユニークさかな。
デザインの基本だ。
松村君ありがとうね。
さて、まだ日は高いよ。
そうだ。あそこに行こう、あのやばい場所。
以前、マッキーに、
「ゲキヤバスポット行きましょう。」
と誘われ、我々鉄錆わびれものフェチにはたまらん隠れ聖地のひとつ。
庵治港。
ああ、絵になるー。
ここの見どころは何と言っても鉄扉なのだ。
こんな鼻血が出そうに美しい抽象絵画が回廊のように連なる風景。
来るたびに塗り替えられて、また錆が進行して、を繰り返すから
制作中の絵画をこっそり見るようで、ドキドキするのだ。
作者は漁師さんと潮風なのだろうが、
むろんそこに表現の意図など存在せず、
どこまでも“無作為の美”。
こういう色と調子いうものに、イメージを見出してしまうのは
僕らの脳が、現代美術という呪にどっぷりと侵されてしまっているからなのか
あるいは、もうちょっと別の、脳が美しいと感じる、根本的刺激に依るものなのか
そんなことをついいつも感じて、考え込んでしまう。
でもここの印象はやっぱり回廊(ギャラリー)なんだよなあ。
港の一番奥にある神社の石段。
梅が満開で早春の香りをあたり一面に揮発させる。
風もなく、ぽかぽか。
春が近い。
3時には一斉に出港する、ファンキーなカラーリングの漁船たち。
瀬戸内名物イカナゴ漁なのだ。
登りきった眺めにすこぶる良好な高台のネットフェンスには
おびただしい鍵。
世界の中心で愛を叫ぶという映画のロケ地になってから
ここはそういう方々の甘い聖地でもあるのだ。
訪れたカップルは、鍵にメッセージを書き入れて、ここにつけてゆく。
で、われわれおっさんたちはそれをみて何をするかというと、
そのメッセージをつぶさに吟味。
〜また一緒に来ようネ。〜
「最後のネがneのほうが糖度が増しますね。」
〜●●●ちゃん大好き!●●●クン愛してる〜
「消えかかったマジックと鍵の錆具合がせりふと響き合ってぐっと来るね。」
「わびさびですよね。」
「70点くらい行っときますか」
恋のチョモランマ登頂おめでとう。
下山するまでが登山です。
とまあそんな、地味なおっさんズアトラクションをしばし楽しんだ。(笑)
でも以前より鍵の数が減ったなあと思っていたら、
なんだかすべて撤去されてどこだかに保存いたしました。
みたいな注意書きを発見。
残念。もっと逸品がみられたかもしれないのに。
さて、そろそろいい時間だよ。
今日も120パーセントの充実度だ。
今夜は何食う?
一鶴で、鳥腿焼きじゃないかな。
うん、それだな、高松グルメ第3弾は。
というわけで夜は鳥腿。
これまたにんにくと塩コショウが絶妙。ビールだビール。
僕は今日は飲まないから、運転手をやるよ。
レンタカーのマーチに男5人すし詰め移動。
僕運転。
車内、野郎超高濃度(笑)
その後これまた定番の高松港にあるumieで2日目の締め。
ああ、ここも大人のいいサロン空間。
僕のVOMERも置いていただいている。
ホットワインとカフェオレで何時間?
時間もたっぷり。
とにかく良く話したなあ。
いや、問答かな。
中世から近代という時代。エネルギーのこれから。モティーフと素材と方法の関係。
70年代建築と家具。
今日見れた印象深かったものの感想。
君はどう思うね?
ディスカッションをするのは僕はどちらかというと苦手。
議論になるほどの知識や判断材料が、自分の中にそれほどないからね。
でも生の言葉。
その人ならではの感想を聞いたり言ったりするのは好きだし、
それだけでも、想像力というものがありさえすれば、
十分に話はおもしろく転がる。
そろそろ、もう日が変わるよ。
寝床に帰ろう。
今日も濃かった。
お休みー。
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