2011年08月22日

南国から

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昨日夜半、石垣島より千恵帰還。
手土産の一つがこれ。
島マンゴー。

小さい!すももと同じくらい。
が、しかし、甘い!
これを皮ごとかじる。種も小さく、中までずっと甘い。
ううん、これは知らなかった。

なんだか農協とか直売所みたいなところでしか置いてないらしくて、
しかも今年は台風で実がたくさん落ちてしまったらしくて、
これは貴重なものらしい。

お土産はそれと小さなきれいなカミキリムシ!
お風呂場の窓で捕獲したらしい。
うーん、これはきれいだ。
僕的にはマンゴーよりさらに嬉しいかも知んない。
でかした。

いいなあ、八重山。
僕は沖縄と八重山諸島は何度か行った。
最初は学生の頃だったから、もう20年以上前。
東京有明桟橋出航の船で、3日かけて沖縄本島、さらに一日かけて石垣島まで。
もちろんバックパッカー。時間はたっぷりあったもの。
そんな船の雑魚寝の2等船室には、自分と同じようなちょっと奇妙な学生たちが
ぎっちり詰め込まれていた。

目つきが鋭い禿頭の男は、毎朝サバイバルナイフで己のわずかな頭髪を剃り、
キャベツを丸ごとバッグから取り出してはしょっちゅうかじっていた。
怖かったので、誰も話しかけなかったが、
2日目の夕方、トイレで頭を押さえて、ものすごい嘔吐をしているところを発見されて、
ランボーも船酔いするんだな。と、
友達になった、人たちと甲板の影でオリオンビール片手に大いに笑った。

太ったとある有名大学在学中の髭の男は、美少女アニメに夢中で、自分の事をペルシャと呼んでくれといった。魔法少女ペルシャとか何とか言っていたか、、、。

西表島の道の通っていない海岸に、小舟で上陸させてもらい、
貝や魚を採って一人を楽しもうとしたら、
繁みにはわらわらそういう輩がいて、
「主に挨拶をしに行こう。あの人はいつからここにいるのかわからない方なんだ。」
と誘われた。

もはやバックパッカーなどとカタカナで呼べるようなレベルではない。
流れ者といった方がしっくりとくる。
そして皆なぜか椎名誠を愛読していた。

ツマに聞くと、今、そんなバックパッカーの姿は見ない、という。
まれに歩いている若者もみなおしゃれだし、だいたいテントなんて、
石垣島でもキャンプ場でしかきっと無いだろう、
との事。

ふむ。時が経ったんだなあ。
思うに心沸き立つ冒険がしたかったんだろうと思う。
ぎりぎりどこまで行けば、“危険”を感じるのか。
身の安全という意味でも、社会的にも。
そんな際をおっかなびっくり、覗いてみたかったのだろう。
若輩有閑貧乏のチキンレースだ。

夜の星空の下、遠く沖まで潮の引いたリーフは
生き物たちの天国で、身を潮だまりの水面に半分出して眠る、ムラサメモンガラという大きな魚。
とか、一斉に出てきて腕を振るウデフリクモヒトデ。これまた圧巻だった。
ふと振り返ったら岸辺に灯りなどなく、真っ暗な中、方向を見失ったときは
本当に冷や汗が出た。
岸辺と沖の区別を見失った事に気がついた瞬間。あれはまさに“際”だったな。

それから7,8年前にもう一度行ってみたけど、
やっぱりきれいなドキドキするシーンに沢山であった。

流れ者たちのチキンレースはもういいけど、
また行ってみたいなあ。
きっと今行っても、発見と冒険が待っている。はず。
それとやっぱり“島の人々”と。





posted by 前川秀樹 at 16:56| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする