途中の雑木林のわきで車を止める。
この時期、発酵した樹液のすっぱい匂いについ引き寄せられる僕。
多分カブトムシと同じ細胞が僕の体には入っているのだろう。
ここは何かがいる気がするんだよなあ、、、。
例によって周りを気にしながら茂みを分けて踏み込む。
さっそく
ああ、いたねえ。
2匹のメスのカブトムシ。
昼真っからわき目も振らずむっしむし。猛烈食事中。
「いや〜!ほんまここめっちゃおいしいやん!?」
「ほんまやわ〜。うち、ちゃんとみっちゃんに聞いて来たんやもん!時間 ずらしたら、がらがらやでって!」
「ほんまほんま。夜のめちゃめちゃ込んでるときに来るのん、あほらし〜なってくるわあ。」
「そやそや。あのゴッツイ蜂にも邪魔されへんしなあ。」
「いややなあ、すぐに針出してきよるし、うっとうしいわ。」
「あのちっちゃいぶいぶい(かなぶん)もわたし好かんわ〜。」
「ああ、あのよ〜しゃべくるすかたんやろ?あんなしゃべくりといっしょに お食事なんか出来ひんわ!」
「そやそや、食事は静か〜にするもんやのになあ!」
「いや!どないしよ!うちちょっとおトイレ行きとなってきたわ、、。」
「あんた飲み過ぎやで。だ〜れも見てへんわ。ここでしたらええわ。」
「そやな、時間外やしな。」
ぴゅう!
「ほなわたしもついでに。」
ぴゅう!
、、、、、、もうなあ、カブトムシってなあ、品が、、食べながらなあ、、、、。
(注)このアフレコは前川イメージの中での会話ですが、決して
関西弁のおばちゃん云々に特定のモデルやまた悪意はありませんので。
ほかにもなにか、、、。
あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
いた!!!
いた!!!!
シュレーゲルだーーーーー!
これはアマガエル【Hyla japonica】(アマガエル科)ではない。
よく似ているが、名前を
シュレーゲルアオガエル【Rhacophorus schlegelii】(アオガエル科)
という。
その姿を見たのはこれで2度目。
一度目は千葉だった。
この美しいヒスイ色のカエル。
アマガエルよりも二周りほど体は大きい。
メスは体長6センチにもなる。
アマガエルにある目の横の黒い筋はこちらにはなく、
目の周りが、金色をしているので見分けが付く。
姿にもまして何より美しいのはその鳴き声だ。
5月の水を張ったばかりの水田で、
コロコロコロコロ、、、、。
クククククククク、、、、。
蝉や小鳥に似たよく澄んだ涼しげな鳴き声が響く。
声を頼りにそろりそろりと近づくと、ぴたりと泣き止んでしまう。
このカエル、個体数はそれほど希少なものではないのだろうが、
その強い警戒心のため、なかなか姿を見つけることは出来ないのだ。
ところが今日はなぜか水辺ではなく暗い雑木林で
その鮮やかなペールグリーンはぱっと目をひいた。
背中をつつくまで、まるでこちらに気づかぬかのように、
じっっっとへばりついて動かなかった。
アリがその背中を登って降りて、続けて登って。
それもお構いなし。
昼寝中で油断していたのかもしれない。
申し訳ないとも思ったが、手にも取ってみた。
ひんやりと粘液が指に付く。
手の中でそのやわらかい身をよじって逃れようとする。
再びクヌギの幹に戻してあげると、あっという間に僕の視界を逃れ裏側に。
僕がそちらにまわるとさらに幹を半回転して上に上に。
今日はこれを見られてだけでいい。
ほら、やっぱり今日は何かのにおいがしたんだ。
帰ってからいろいろ調べてみると、5,6月には田んぼに目立たない茶色の卵塊が浮かんでいるという。
それを孵化させて育てることが出来るという。
来年はちょっと気をつけて探してみようとおもった。
探すよ〜。
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