去年末、冬至の日の下見から、ひと月が経つ。
1月19日 20日と伊勢神宮に行ってきた。
芸術新潮の取材のためだ。
今回は本宮ではなく、その周りに広がる広大な神宮の森、
それを支える人々。そして、昨年10月の台風18号で
倒れた、あの巨大な杉の樹の行方を尋ねて。という趣旨だ。
下見の時と同様、案内してくださったのは神宮司庁営林部のK課長。
森を育てる仕事。4年後に迫る遷宮のための檜。
山の人の内緒の聖域。
おかげさまで、丸丸二日間なかなか濃い、非常に得難い時間を過ごさせていただいた。
11月に思い立ってお参りに行ったときに受けた
奇妙な感覚の答えもおぼろげながら出た。
改めて、神宮の森は神秘だ。
内宮本殿の近くにある、司庁舎?というのかな?
こちらはコンクリート製。職員食堂で、お昼もいただいた。
これはけっこう貴重な経験。本日の定食250円。安い。
森の南端。峠から俯瞰する。Kさんは大柄な修験者のような風貌なのだが、とにかく身が軽く、歩く足元の安定感が抜群。
僕らはへっぴり腰。実際写真の場所もシャレにならない岩の露頭のてっぺんなのだ。
勇敢にカメラを構えるカメラマンT氏。その雄姿をおさめようとする編集S女史。二人とも勇敢。気をつけてね。
くれよんしんちゃんの臼井さんが頭をよぎる。いまさらながら御冥福をお祈りします。
大切に育成中の檜。未来の御用材候補だ。深い谷にも昼近くになってようやく日が差してきた。
それよりとりあえず寒い!
営林部の樵スタッフ。の足元。プロ中のプロなのだ。素晴らしく手入れされた斧を見せていただいた。なんと腕の毛がそれるほどに研ぎ澄まされていた。ためいきが出る。
貯木場にて。楠や檜、杉。神宮の森で間伐されたものやら、傷んで倒れたものまで。どれも大きい。全体に漂う、香りが素晴らしい。
ここで呼吸するだけで、御清めの効果ありそう。
話を聞く僕。この二日間、奇跡的に小春日和で日向は暖かだったのに、
山の谷間に入ると。寒い、これが底冷えか。とにかく足元から凍えるようだった。でもここで作業するんだなあ。意外と薄着の営林部スタッフの方に聞くと、冬は動いてればまあ平気。
夏のほうが体力がつらい。という。
上からヒルが次々と落ちてくるし。
ひえー!ザ、実録高野聖だ!
逆に北側から、深い山々を望む。美しい。
またまたいろいろな仰天なことがあった伊勢行。
一体年に何回行ってるんだろう。
今回の詳しい模様は、芸術新潮3月号にて。
拙文は僕が。ぜひお楽しみに。
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