
長い冬眠の時期が終わって
花の便りが届き始めたので、
制作のキリのいいところで一休み。
材料収集と英気補給のために出かけることにした。
行き先は南房総にした。
「家から日帰りもできなくはないけど、
旅気分を十分に味わうために、
あえて一泊お出かけシリーズ」
長い長い。花が散っちゃうよ。




もうあっちもこっちも花花花。
ああ、茨城はまだここまでじゃないなあ。
なんだか気持ちまでぱあっと明るくほころぶような色彩。
夏の濃度とはまた違う控えめな鮮やかさがいい。

街道沿いの花農家さんで妻、ポピーを30本購入。
さらに道の駅でカーネーションを2束。
お土産も兼ねて多めにね。

むろんニハルのストレス発散も兼ねている。
一日中浜を全力疾走。若い。体力は売るほどある。
なぜか砂を食う。目を離したすきに死んだ魚や、
ブログ上なら間違いなくモザイクで自主規制やむなし級の
はばかりものの匂いを嗅ぎ齧る。
ここぞとばかり、飼い主としては嬉しくないこと
やりたい放題のお嬢。





南房総の館山あたりに足繁く通っていたのはもう20年くらい前。
海遊びに漂着物採集、温泉、キャンプ。当時の埼玉からは決して近くはなかったが、
勝手知ったる遊び場だったのだ。
仕事が終わってから夜から出かけたりしてた。
若かったんだなあ。
広くて変化に富む磯の風景はあの頃のまま。
ただ変わったな、と思ったのは、
小さな素敵風のお店が道沿いに増えたなあ、という印象。
田舎暮らしを志す若い人たちがたくさん移住しているのかもしれない。
不便ではあるけど温暖だし住みやすそうだからかなあ。
それから驚いたのは「道の駅」の充実度。
これは以前は一軒もなかった。
どこの道の駅も大変特色があって、
隣町のそれとキャラがかぶらないようにしているようだ。
あるところは海産物とマリングッズに特化、
あるところはフラワーガーデンと農産物に特化。
あるところは捕鯨の伝統を柱にくじら料理が名物、といった具合。
今回楽しかったので、看板を見つけるたびに立ち寄って、結局5軒のハシゴ。
食材をたっぷり買い込む。
こうやって自治体が町おこしで頑張っているからか、
若い人も移住してくるし、不思議と、
どの地方にも漂う独特の寂寥感はあまり感じなかった。
もっとも実情はよく知らないけど。
茨城だって首都圏からの距離は似たり寄ったりなのに、
こういう季節や土地ならではの活気みたいのモノには欠ける。
もっと頑張れよ。魅力度万年47位県。

道の駅の鯵のヅケ丼が今回最後の食事。
津軽と甲乙つけがたい魚の旨さ。
さて、いい空気をたくさん呼吸できたおかげで気持ちも入れ替わった。
個展まで残り2ヶ月を切った。
制作はここからが正念場なのだ。