翠色の雨を避けて、つかの間の雨宿りのうちにだけ
語られるよしなしごと。
今回はそんなイメージをしていたら、
初日 4日に中国、四国、近畿が梅雨入り。
翠雨連綴、しつらえたようなジャストタイミングのスタートとなりました。
広島 ギャラリーたむらでの像刻展は早くも5回目。
毎回お会いできる常連の方、初めての方。
西日本に住む知人友人。木偶講座の生徒さん。27年ぶりの再会。
回を重ねるごとに本当にたくさんの方々とお話しすることができる貴重な場所になっています。
今回も幸いなことに、僕の在廊中は人が途絶えることがなく、
温かい歓迎や期待といった熱に触れるにつけ、
重ねることは大切だなあ、と僕はしみじみ実感します。
こんなにありがたいことはないのです。
正直に言うと、初日の前日、展示準備中は、
前回までは良かったけども、
明日、ぱったり人が途絶えたらどうしよう。
と思います。
だから、前日はとにかく不安で気持はお互い沈みがち。
「明日どうかな」
「さあ・・・なんとも読めませんよね・・・・」
そんなどんよりが一日でぱっとハレの日に転換するわけですから、
その落差は、思いのほか大きく、初日、良い反応をいただけたときには、
だからホッとする、というよりも正確には、僕らは感動してしまうんです。
その転換が、ちゃんともたらされたときに、
貴重な個展の機会がルーティンに陥っていないことを
はじめて実感できるわけです。
25年も作家をやっているのに、未だに一回一回です。
僕は昨夜ここ茨城に帰宅したのですが、
展覧会はまだまだ今週いっぱい、12日、日曜日まで続きます。
これからの方、再訪の方。
雨宿りの物語にぜひ、足を運んでいただけたら幸いに思います。
どうぞよろしくお願い致します。
こちら茨城でも灰色の雲間にホトトギスが盛んに鳴きはじめましたよ。