2014年12月31日

新年ルビジノ

tamura 展示 (3).JPG


 西日本や北の方では、まれにみる大雪が続いていますが、
ここ土浦では、未だ初雪を見ることもなく。
比較的穏やかな大晦日です。

さて、2015年、新年ルビジノ。

1月3日(土)4日(日)5日(月)6日(火)

オープンです。


2014年、改めて総括するほどの大変化も大事件も特に無い年でしたが、
17年にわたって一緒に暮らしてくれた愛犬チャイとのお別れが、
しいて言えば大きな出来事でした。
6月、亡くなる二日前までどうにか自力で立ち上がろうとし、
横になったままなのに、一人にされると鳴いて僕らを呼びつけ、
存在を主張し、
最後は、千恵の膝に抱かれたまま、
コトリと静かに心臓が鼓動を打つのを止めました。
生命力の最後の一絞りまで使い切った、
おみごとな大往生です。
未練や怨恨や後悔や愛情すらも、
何も残さず、旅立つその潔さに
こんなふうに最後まで生きなくてはな、と。
二人ともそれぞれ、沢山の事を学ばされた思いです。
どうぞ安らかに、なんていう言葉が
未だ似つかわしくないくらい、
返す返すもいろいろな意味で
強いエネルギーを持って生まれ、生きた犬でした。

さて、明日から新年。
特に決意新た、というほどのものもとりたてて無いのですが、
きちんとやるべきことを果たす毎日を心がけたいものです。

皆様、本年もさまざま、お世話になりました。
2015年もまた、よろしくお願い致します。






posted by 前川秀樹 at 14:50| ルビジノ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月24日

つかの間の繕い。

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 広島から帰って来たのが9日。
その後今日まで2週間とすこし、僕が茨城で何をしていたのかというと、
力を出し切って放心、とかだったらかっこいいんだけど、
実はずっと家の補修作業に没頭していた。
玄関の土間と倉庫ダルダに板床を張り、
材木置き場に雨よけの軒を取り付け、
パソコンのあるスペースに棚を増設してレイアウトを変え、
昨日からは、玄関と千恵の作業場の間に間仕切りの扉を作っている。

ああ、なんて楽しいんだ(笑)
仕事じゃない作業って何故こんなにさくさく進むのだろう。

家をこしらえて14年になる。
計画当初は、あそこをああしよう、こうしよう、
と外国の雑誌なんかを穴のあくほど見続けて、夢想してばかりいた。
住み始めてからもこのまま改装を続けようなんて思っていたけれど、
実際その場所で日常がスタートして暮らしが定着してみると、
そんなことはほとんどやらなくなった。
例えば2階のカーテンが付くまでになんと10年を経過していた。
それまで窓には画鋲で麻布を止めただけ。
それで雑誌の取材なんか受けていたのだから、
笑ってしまうほどお粗末だ。

ただ、住みながら気が付いたところ、気になるところは
いくつもいくつもずっとたまっていった。

明日やろうは馬鹿やろう、とは学生時代の友人の口癖。
よし、広島が終わったらやろう。
年末までの限定の僅かな時間をそこに当てよう
と決めたら再び火が付いた。
毎晩スケッチをして、翌日材料を見つくろって
すぐ作る。
なるべく手元にある材料で低予算で、自分に出来る範囲で。
思い出した。
必要だから作る。
よりよい暮らしの為に、開いた穴を埋める。
創作する、というほど大げさなものじゃなく、
繕うことの充実感。

僕が昔、生活道具を作り始めたのはこういう気持だった。
身のまわりや、人のまわりに足りないものを思いつく端から埋めて行こうと思った。
ところが、
値段をつけて、展覧会の売り上げが生活の糧となり、
だんだんと繕うべき個所が見えなくなって来た時に
純粋な楽しさが薄れてしまった。
最初はあんなに楽しかったのに、
なんだか自分のモチベーションの限界を感じてしまったので
結局生活道具を作るのをやめた。

そう、ほころびを繕う。その気持ちを忘れてはいけない。
像刻の場合もそれは同じ、そこに無いから作る。
自分がまずその姿を見てみたいから作る。

生活道具と違うのは、
そこに、物語や空想といった量として測れない余地が沢山残されているところだ。
彫っても彫っても一つうまくいくと
他に何かが言い足りなくなって、繕いきれないほどまたほころびてゆく。
生活道具は暮らしの物的な穴をモノで埋めるものだったけど、
像刻はモノであるにもかかわらず、その本質は言葉だ。
足りないコトを言葉で繕う。それを丁寧に紡いでゆくこと。
それを人に聞いてほしいと願う。
それは表現の基本といっていい。

繕う必要が無くなってまで手を動かせばまた同じ轍を踏むし、
また繕う必要のないコトをことさらに大声で叫んで
無駄な上塗りをするような激しい自己主張をしようとは僕は思わない。

その個所を丁寧に確かめながらだから、沢山はできない。
理由があるから手を動かす。
物語も空想も伴わない作業は僕にとってただ苦痛だ。

常に、ちょっと足りない、くらいがちょうどいい。
その塩梅をどうやればうまくコントロールできるのか、
コツはあるが、真の秘訣には未だ至らない。

多分、この繕い大工仕事が終わるころにまた、
無性に顔が彫りたくなるのだろう。
どちらの手仕事も地続きなのに、不思議なものだと思う。
旅行と日常の関係に似ているのかもしれない。

さて、世間ではクリスマスやら年越しやら賑わしいが、
うちの年の瀬は、永年積もった繕い仕事で過ぎてゆく。
それが自分らしい。






posted by 前川秀樹 at 20:46| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広島感謝

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広島 ギャラリーたむらでの像刻個展 「antrogia」
12月21日に御蔭さまでご好評をいただき、
無事終了することができました。
僕は初日と二日目ギャラリーに立たせてもらいましたが、
お久しぶりのお顔、はじめましてのお顔。
今回も沢山の方々に暖かく迎えていただくことができました。
決して広くは無いギャラリーに満ちた、暖かい気に心より感謝いたします。
また、その後も今回は、観に来てくださる方が
最終日までそれなりに途切れずいらしたようで、その方々には
会場でお会いできず残念でしたが、
この場を借りて、お礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。

余談ながら、今回も
ピッツァ・リーヴァならびに、広島グルメを存分に堪能させていただきました。
いやあ、何処もなんでこんなに美味しいんでしょ(笑)
広島で身も舌も肥えてしまいます。

それから、4度目にして僕は初めて原爆記念公園や原爆ドームのあたりを散策しました。
鉛色の師走の空をバックにじっと黙して建ちつづける原爆ドームのあの躯を
なんて美しい、なんて言葉にしてしまっては不謹慎かなあ、
ひっきりなしに通り過ぎる外国の観光客の人々は
どんなこと思ってカメラのシャッターを押すのだろうかな、
なんてことを漠然と思いながら見上げて居たら、
ドームから張り出した鉄骨の上に、大きな白鷺が一羽ふわりと舞い降りて
地上の僕らにちらっとと一瞥をくれた後、
首を蛇みたいにくねらせて、うずくまりました。
まあ、それだけの朝の散歩だったんですけど。

ともあれ広島、また次回はどんな作品を携えて
皆さんにお目にかかることができるのか、
僕も楽しみにしています。
次は多分再来年、夏を目前の頃でしょうから、
山で虫採りもできそうですし(笑)
いやいや、展覧会″をがんばりますよ。

では皆様。またお会いしましょう。
ありがとうございました。


posted by 前川秀樹 at 18:46| 作品発表、展覧会情報、等。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月04日

12月ルビジノと広島

tamura (61).JPG

ルビジノの銀杏は残念ながら全て散ってしまいましたが、
楓の紅葉はまだまだ見られます。

12月ルビジノ 12月 6日(土)7日(日)8日(月)9日(火)
がオープンです。


僕、前川は明日金曜からいよいよ広島です。
作品、なんとか間に合いました。
ひとまずはほっと一息です。
いや、本当に良かった。

僕のギャラリーたむらの在廊日は、6日、7日 の二日間です。
皆様、そちらの方もよろしくお願い致します。
posted by 前川秀樹 at 22:02| ルビジノ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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