



河が流れている。
否、
河は流れずただそこにある。
流れているのは水だ。
この道は何処に行くのだろう。
否。
道は何処へも行かない。
道の上をただ人が行くのだ。
日暮れの橋の上で
いい感じに、ひねくれてみる。
明日は梅雨明け直後の酷暑の茨城へと帰る。
名残惜しいが、十分楽しんだ、と
思うことにしよう。
そう言えば札幌では、札幌国際芸術祭?
なるものが開催されているようだ。
坂本龍一がなんとかディレクターを務めたことで話題だったが、
急きょ、休養のため参加できなくなったというあれだ。
知ってはいたが、
札幌まで行こうとは思わなかった。
山とか虫とか、こうやって河を見ている方が、
なんだか僕は元気になれるからだ。
僕は刺激をこういうものから得たいと思う。
言葉からではなく、世界に触れて世界を知りたいと思う。
加工も選別もされる前のそれは、
噛み砕くのにも骨が折れ、消化にもやたらと時間がかかり、
時には消化不良を起こす。
栄養になっているのか、なっていないのかすらも
よくわからない。
しかし、それは、少なくとも
世界に直に触れた、という実感を残す。
それが感動の種だ。
感動は常に激しく訪れるものとは限らない。
それはむしろ、地味で、ひそやかで、そして鋭い。
しかし、僕らは、そんな、
分かたれる前のものとの出会いに
気が付かなければならない。
飲み込んだ、分からないものは、
やがて醸され、
物語を生みだし、
自分の心を動かすのだ。
それが感動だ。
そういうものしか、
ほんとうに
人には伝わらない。
と僕は思う。
さて、暑さで効率は悪いが、
負けずに頑張ってまた作ろう。