2013年12月27日

二匹居る。

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犬2匹目始めました。
ではなくて、小さいほうは千恵の実家から
訳あって預かっている。
トイプードルの小太郎である。
チャイは高齢でぽーっとしているので、
家の中に小さいのが一匹増えたところで
まったく関心を示すそぶりはないが、
こちらは4歳と若いので、
もう四六時中ちょろちょろちょろちょろ。

そして、小太郎は僕にだけ吠える。
千恵には吠えたことは一度もない。
僕が仕事を終えて階段を上がってくると2階から
ぎゃぎゃぎゃぎゃーん。
夜、トイレに起きると
ぎゃぎゃおーん!

おまけに雄のマーキング習性のためか、
隙を見つけてはチャイの昼寝布団にたびたび小用を足す。
その時には決まって忍び足でこっそりと。
それでいてその後、素知らぬ顔で僕の膝にひょいと乗って、
うるうるつぶらな眼で、撫でてとせがむ。
それがまた可愛らしいからたちが悪い。

ひと月あまり前、家に来た時には、
こいつ、しっかりしつけてやるからな。
覚悟しろ。
と心に決めていたのに、
上手に飴と鞭を使い分けているのは
今では犬のほうだ。

バトルは年越しでまだまだ続きそうだ。
新年の目標一つ目は、
小太郎に勝つ。





posted by 前川秀樹 at 17:11| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月26日

ジングウベル。

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12月24日
アトリエのラジオからはひっきりなしのクリスマスソング。
世間のクリスマス高濃度からちょっとのがれて
香取神宮に今年最後のお水とりに向かう。

境内にはクリスマスリースが!?
おおお、こんなところまで。
まあ、そんなわけはなく、
大祓の茅の輪だった。

いや、まてよ。
日本は広いしなんだって祀ってしまう。
どこかにサンタクロースをひそかに祀る神社とかないのかな。

 三田村 弐個羅臼神社とか。

年末の例大祭は大白髭男祭と呼ばれる。
中世より続く秘祭である。
大白髭男祭では、深夜、
鹿の角を頭に付けたふんどし姿の
村の若衆の厳かな詠唱が続く。
しゃんしゃん、しゃんしゃん・・・。
彼らが担ぐのは橇神輿である。
橇神輿の上にはその年還暦を迎えた恰幅の良い男性が
真っ赤な羽織で静かに鎮座している。
髭男役は一生に一度の晴れ姿である。
今年の髭男、山田宇吉郎さんの赤ら顔もまことに晴れやかだ。

しゃんしゃんしゃん、ほっほっほーう・・・・。

橇神輿は深夜、村中を練り歩く
子供は決してみてはならない。
髭男役は橇神輿に山と積まれた餅を村中にばらまきながら
ついには弐個羅臼神社へのきつい上り坂の参道を登る。
参道は5万本の松明でライトアップ。
両脇に広がるうっそうとした杉林の暗がりには
手を取り合いそっと見守る数多の若いカップルがひしめく。

境内にしつらえられた杉の巨木に松明が灯され、
師走の夜空を火の粉が照らす。
それを合図に境内を埋め尽くす氏子たちが一斉にときの声を上げる
ジングウベル!きっと君は来ない!らすとくりすます!
例大祭のクライマックスである。


 
そんなくだららぬ妄想をしながら茅の輪をくぐり二礼二拍手。
ちと不遜だったろうか。
まあ、いいか。
お水もいただいた。
来週はもう来年である。



posted by 前川秀樹 at 20:38| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月19日

御山に詣でる その2

狛犬というのは日本独自の空想獣だ。
平安時代にオリエントに源流をもつ“獅子”が大陸から伝えられ、
狛犬と混ざり合ったものが獅子狛犬(のちに略称で狛犬)と呼ばれる。
僕らにおなじみの神社の狛犬のルーツはざっくりそういうものだそうだが
江戸時代になって、都から遠く離れた地方の神社で
独特の進化を遂げたユニークな狛犬が、作られ始めた。
そして今もひっそりと、
社を守っている。
そこには実に驚くべき造形の宝庫がある。
そのことをあらためて認識するきっかけとなったのが
この本。

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なんという豊富なバリエーション。

地方の石工が
大陸から渡ってきた宮中の(最初は木製だった)
獅子など見られるわけもない。
しかし、神社の山門が作られるようになってから
そこに置かれる守護獣として左右一対の石の狛犬の需要が出てきた。

見たこともないものを作る。
おそらく伝聞で伝わった狛犬の形象は
様々な主観の入り混じった劣化したコピーのようなものだったに違いない。
しかしそのボケたピントは、
逆に石工たちの創作魂に火をつけた。
テキストが無い、ということを逆手に取って
旺盛な想像力と鍛えられた職人の表現力が自在にあばれまわった。
本の著者によると、以外にもそのヴァリエーションと表現の最盛期は
大正から昭和戦前にかけてだという。
意外に新しい。
しかしながら、残念なことに現在、こんなものは国内ではまず生まれてこない。
パターン化されたカタログ狛犬が中国で作られるのみだ。
石工は居るのだから、現代の技術と職能が芸術家としての自在な表現へと
スライドしてもおかしくはないようなものだが。
生まれてこない理由として
まず需要がないこと。
それと、知ってしまった人間の悲しさとでもいおうか、
スポンサーも職人も氏子も参拝者も。
テキスト過多はオリジナリティの息の根を断った。

本のページをめくるたび、思わず噴き出しそうになるものも多い。
これじゃ守護職失格だろう。
なんで首びょーんて長いのこれ・・・。
これは、脱糞直前の犬だよなあ。
 
飽きない。
とはいえ、どれも今は昔である。

そんな狛犬造形でもちょっと変わり種が
狼狛犬である。
秩父は言わずと知れた狼信仰の残る土地。
山は山の神様のもので、狼はその使い。
狛犬は基本、神のガードマンであるが
狼は使いだからさしずめ山神の秘書か使徒といったところか。
この微妙な違いがみそである。
また、狼そのものが神の化身とされることもある。
両神神社もまた例外ではない。
山頂の両神神社本社には立派に苔むした2体が静かに参拝者を迎えていた。

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これは雄らしい、欠けているが立派なシンボルが付いている。
稲荷と違うのは、牙と細いのっぺりした尾、それとあばら骨だ。
その3条件はクリアしつつ、
本物のオオカミや犬にそっくりでは化身らしくない。
ここにもディフォルメ、象徴化の作り手の工夫がある。
ふと思ったが、いくつか見てきた狼狛犬には、相手を威圧してやろうとか、
噛み殺すぞ、といった気迫よりも、
どこか愛嬌を感じるものが多いように思う。

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じゃあこっちが雌なんだな。

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なるほど、険しい登りの果てにこれがあるから余計に
風情があるんだなあ。恐いという感じはあまりないが
執拗に刻まれたずらりと並ぶとがった刃に
なかなかの迫力を感じる。
ともあれここまで来ないと出会えないものなので
見られてよかった。

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山を下りて登山口にある里宮で
お札を譲っていただく。
ここも今は無人で、隣り合った一軒だけの民宿のおばあちゃんに
お金を預けて、わざわざ出していただいた。
この木版も一体いつ作られた版木なんだろか。
なかなか達者なデザインである。
それぞれの神社で、姿もいろいろなので、これも集めるのが楽しい。
狼は、火事 盗人よけ、四足というのはシカやサル猪などの害獣のことなのだろう。

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で、こちらは三峰神社奥の宮のもの、
表情も分からないほど風化の進んだものは、社の奥のほうにひとまとめに。
なんだか、寄り集まってひそひそ話をしてるようだ。

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ちなみにこちらは三峰本社の多彩な狼狛犬。

さらに山を降りる。

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これは秩父市街にやや近い、平地に立つ椋神社。
新しいが堂々としていて大きい。首の巻き毛がキュートだ

石造り、素朴、山の上、そういう条件で風雨に耐えるこういった
幻獣の姿をみると、
ヨーロッパのロマネスク修道院の柱頭彫刻を思い出す。
時代はもちろんロマネスクのほうがずっと古い。
けれども、需要にこたえようと頑張ってきた石工職人たち
にスポンサーから提示されたオーダーの中身は、
その不鮮明さにおいて、中世も近世になっても
さほど変わらなかったのではないかと推測できる。
なぞるお手本がない、という点も。
職人の苦悩と試行錯誤と想像力の余地が残された時代の
造形物が僕らの貧弱な造形感覚に喝を入れてくる。
長い長い時を経てなお、鬼気迫る不気味さだったり、
思わずぷっと笑いを取り続けられるものなんて
そうそう作れるものじゃない。


民宿近くまで下山してきたときに、

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「あ、前川さん、犬ですよ!」

と前を指すサンペイ君。おお、ここにきて山犬が!?
と思ってみたらば、先ほどの痩せた狛犬とは似ても似つかない
たっぷりむちむちした白犬。
いくら冬だからってこれは太りすぎだろう。
あとからから登ってきた民宿のおじいさんらしき人の飼い犬らしい。
そのゆとりある体駆にもかかわらず足取りは軽い。
おじいさんの10メートルほど先で止まって、待ち、また歩き出す。

この子いくつですか?
17歳だ。
はあ!?

なんと驚くことに2年ほど前まで登山客に合わせて、山頂まで
先導役をやっていたそうだ。毎日のように一日2回も。
なんとな!
とっさにフグみたいなんて思って申し訳ありませんでした。

先ほどから吠えていたのはこのポチですか?
いや、もう一匹、ぽんちゃんつうのが居るんだ。
そっちは現役だ。吠えてたのはたぶん畑に来たカモシカを追ってるんだ。

なるほど、生きた守護獣であり道案内。
言葉なきシェルパ。


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で、こちらがぽんちゃん。と、
現役・・・って。
こっちもむちむちもふもふだあ。。。。

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ポチ、おかえりー。


二匹から、御山の恐ろしさや厳しさは全く伝わってこないけど、
この人懐こさも犬科の動物のもう一つの側面なんだなあと感じる。

だから、狼も犬も、たぶんものすごく古くから
御山と人里の両方の境界をまたぐ存在だったのだろう。
ああ、だからこそ得られた使徒の資格なのか。
こちら側の使いでもあったわけだ。

境界線。
ふと、その日歩いた細い尾根道の形と
痩せた狼の突き出た背骨イメージが重なる。

厳しさと愛嬌。
狼狛犬はその両面が表されていることが大事なんだな。
やっと少しだけ、作り手の視点を現実的にとらえられた気がした。
今度からはそういう視点でまた次の狼を探してみよう。




















posted by 前川秀樹 at 17:59| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月16日

御山に詣でる その1

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11月の初旬のルビジノでのことだったか。
虫シーズンも終わりだ、運動不足だ、と
ウジウジ呟いていたら、

「じゃあ、妙法ケ岳あたりどうですか?」

と、思いがけない言葉をかけてくれたのが、
ルビジノ常連で孤高のベテランクライマー、サンペイ君。
妙法ケ岳って?ああ、三峰神社の奥の院!
え?連れてってくれんの?行きたいなあ。でもなあちょっと体力に自信が・・・。

「僕も行ったことはないですが、
1時間ちょっとの行程みたいですよ。大丈夫ですよ、行きましょう。」

えー、大丈夫かなあ・・・いつ?

「来月あたり、半ば過ぎかな?」

なに? 来週、とか言うのかと思ったら、そりゃずいぶん先だね。
でも、そうだった、彼は冬の単独登山をこよなく愛する人だった。
なるほど、彼の美学として、
あえて山の雪化粧を待ってるんだな。

そんなやり取りがあった。

結局それから一月あまりで計画はちょっと拡大した。
もうひとつ目指す山を追加しましょう。
一泊で温泉と獅子鍋も追加で。
お、なんかいいぞ。
無謀にもオプション追加をオーダーしたのは僕のほうだったんだけど。
サンペイ君から服装なんかの細かいアドバイスを受け、
山の専門店で、自分に合う靴をまず購入。
おお、しっくりくる。

ちょうど打ち合わせもあったので、
とりあえずこれで東京に行ってみよう、と思い立ち
表参道の駅の長い階段を上る。
なるほど、これは全然違う。
なんでも専門の道具ってのは心強い。いいものだ。
夏山を長靴でぱかぱか徘徊していたのがうそのようだ。
なんだか靴だけでわけのわからない万能感がみなぎってくる。

シャツやら靴下やらもちょっとずつ買いそろえ
ニマニマながらあっという間に一か月が過ぎた。

で、行ってきた。再び秩父まで。
目指すは両神山、標高1723メートル。
朝7時登頂開始。
登山計画、宿の手配、装備の準備、シェルパ役。脚のの使い方や朝の食事の取り方。
すべてサンペイ君にお任せの安心パック。
うーん、何事も導いてくれる経験者というのは大変にありがたい。

当日は晴天。
山眠る、とはよく言ったもので、
日の差さない深い谷筋、
カラカラに乾燥しているのに、全体に凍っている。
色彩に乏しくすっかり見通しの良くなった
険しい谷を、ただひたすら、右、左、右、左、
体重を移動しながら足だけを動かす
その繰り返し。ただひたすら。

ああ、これは、あれだ、木を彫るのと似てる
単調な繰り返しに見えて、その実、同じ場面はなくて、
頭の中は、いろんな思考が流れて消えてゆく。
思索にはもってこいだ。
もっとも僕の場合、思索というより、
妄想や雑念を遊ぶ、と言ったほうが正確だけど。

ゆっくりペースをキープしてくれるので、
心拍数が上がりすぎずに、ずっと繰り返せる。
それだけのことが思いのほか楽しい。

余裕が少しできると、周りにいろんなものが見えてくる。

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沢をずっと下に見て。

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サンペイ君の向こうに、巨人が頭を下にして倒れている。

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正体は苔むしたセンノキの倒木だろうけど、
迫力のある遺骸を思わせる不思議な眺めだ。

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雪景色には早かったけど、降った雪は解けずに残ってた。

が、さすがに行程半ばを過ぎ、膝が、膝が。
行程になだらかな尾根道というのがほぼ無い。
緩やかな登り、急な登り、最後は鎖場を多数含むとても急な登り。
ぬう、自分で言い出したとはいえ、
これは、なんというか、大丈夫なのか?自分。

「だから言ったじゃないですか、ハイキングじゃなくて両神はちゃんとした登山ですよって(笑)」

まったくその通りだ。やっとわかった。
標高差1000メートルを4キロの道のりで詰めるというのは
こういう事なのだろう。

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鎖場を降りるサンペイ君。うう、すごい。その荷を背負ってなおなんと身軽な。
僕なんて、デイパック一つでひいひいなのに。

それでもまあ、右左、右左、とやっているうちに、やがて尾根が見え、
ひとつ岩を越え二つ越えしているうちに、
人工物が見えた。鳥居だ。
目的地の神社に到着。
とたんに凍えるような風が吹きつける。
北の方角に北アルプスの真っ白な峰々がのぞく。
気温マイナス2℃
ここまで約3時間半
ああ、でもなんとか来られた、僕でも。

両神神社奥の宮である。

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こんなところまで神主さんや氏子さんが来るの?
こんな思いして、マジで?
信仰とはすごいものだ。
ちょっと信じられないところにちゃんとした祠が、静かに立っていた。
修験道の奥の宮としては比較的里から近い、といわれるが、
いやいや、僕にはとてもそうには思えない。

異界だと思う。
切り立った斜面にへばりつくような、
わずかな人の踏み跡をたどってくるうち、
とんでもなく深いところまで迷い来てしまった。
そんな感だけがある。

お決まりの大口真神、オオカミの狛犬がじっと、
最後の石段を見下ろしている。
これが見たかった。
ここから少し細尾根を行けば剣が峰という最標高地点らしいが
風が強くなってきたので
そこはあきらめて、降りることにする。
今日はここで十分。がんばりました。
いや、おかげさんです。

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途中の山小屋の裏。
哲学者の椅子がぽつんと。
いや、数学者の椅子ほうがぴったりかな。

さあ、下ろう。
気温は一日中ほぼ0℃だったけど、汗だくだ。
ビギナーとしては、やりきった感たっぷり。
さあ、降りて温泉だ。
それでもって猪鍋だ。
ひゃっほう。


翌日である。
予想通り腿がぱんぱんに張っている。
腿の筋肉が削る前の鰹節みたいだ。
でもまあ、大丈夫。
予定通り、三峰行きましょう
両神に比べれば、まあ3分の一以下の大変さだそうなので。

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でもさあ・・・。
あの岩山がそうでしょう?登れんの?あんなのに。
三峰神社の遥拝殿から望む、妙法ケ岳山頂。

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幸い心配は杞憂に。
割とすぐに尾根に出て、右左すっとーんと谷底へ落ちてゆくような
細い道をたどって歩くコース。
なるほど、尾根ってのは気持ちのいいものだ。
見晴らしもよくて、気持ちがすうっと晴れてゆくようだ。
あちらとこちらの境界線上を進む、という特別感もいい。

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最後にちょっと急な鎖場があったけど、
無難に到着。
本当に岩山の先っちょに祠がある。
ここが三峰の奥の宮。
突き出た鹿の角みたいな枯れ木をすり抜ける風の音
それ以外、音がない。
ここでも、主役はこの枯れ枝や、崩れてゆく岩山のほうであって、
自分が異物だ、と思える。
埋没するように、静かに息を整える。
静かにただ“居る”ことがこの聖地の作法かもしれないなあ。

両神も三峰も、古くから山岳信仰の山であり、
雨乞い信仰、山岳崇拝にはじまって、中世には修験道
近世になって、有名な狼の講中登山、と対象は移り変わっても
長きにわたって清められてきた場所には違いない。

そんなことを思いながら、
サンペイ君の沸かしてくれたほうじ茶を飲む。
いろいろありがとう。

やあ、来てよかった。
虫取りとは全く違う目的で入る御山もいいものだ。
正直に言うと、
僕は山も海も、なにがしかの収穫あってこそ楽しいもんだろう。
と思っていた。
ただ登るだけなんて、何が楽しいんだろう。
なんて思っていたのに、

里に下りてから遠くに峰を見て、
あそこに自分の足で行ってきたんだなあ。
と振り返るだけで、なんとも誇らしくなるものだ。
あと、ちょっとした自信と。

さて、病みつくや、つかざるや。


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オマケ。牡丹鍋はかくあるべし。
赤みそ仕立て。ちょっと濃い味付けだったけど
なかなかうまかった。



 

















posted by 前川秀樹 at 09:17| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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