2013年09月25日

常陸のクニ

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常陸の国風土記、というのがある。
奈良時代初めの成立で、今年はそこから数えて1300年目に当たるらしい。
常陸の国とはおおよそこの茨城県あたり。
当時ここには東国一大きく、平坦で土地肥ゆる豊かな国があったそうな。
口語訳を何度か読んだのだけど、古代の暮らしやら、律令制度のお役人の身分やら
こもごもが見えてきて、現代と重ね合わせると、
これはけっこう面白い。
それをまた、改めて読み返している。


古い地名が実際の今の茨城の地名にも反映されているところもある。
それによると、僕の住む土浦のあたりの記載はないが、霞ヶ浦(当時は深い内海だった)
に面したルビジノのあたりの記載がたくさんある。
ルビジノから少し行ったあたりの田の開墾にまつわる話が面白い。
夜刀の神(やとのかみ)という角のある蛇が、
しつこく谷戸の開墾の邪魔をするので、
それを追い払い、杖を立て、ここからは人の土地だから降りてこないくれ。
子子孫孫、大切にお祀りしますから、と陳情をする。続きもあるが、
まあざっくりとそういう話。
実際に今もそこに夜刀の神を祀った神社がある。

上の写真は御岩神社。茨城県の北のほう、日立市にある。
ここもまたその風土記の中に出てくる由緒正しい聖域だというので
先月末にふらっと出かけてみた。
いまだ猛暑日が続くなかを。

かびれの山のふもと、水のこんこんとわき出る場所。
見えるもの全部が苔むしている。
それまでの猛暑とうってかわって、ひんやりとした空気。
そうそう、この豊富な水と湿度こそ日本。

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説明書きを読んでいると、こうある。
この山に降り立った
天つ神の立速日男命(タチハヤヒオノミコト)
はありがたくも強烈な祟り神で、
人間が排泄などの不浄を行おうものなら、たちまちにして祟る。
病が人々を悩ませる。
鳥ですらここでは羽を休めないという。
そこで、里では朝廷に申し上げ、たところ、
片岡大連(かたおかのおおむらじ)という人が来て、
祈り奉り、こう陳情した。
人々の暮らすこの地は不浄であるから、
尊いあなたさまがおられるにはふさわしいところではありません。
どうか高い峰の清浄の地に移っていただけないでしょうか?
それを聞き入れた天つ神は
峰の一番高い所に引っ越したそうな。
なるほど、目上の人にものをお願いするときには
こんな風にいうものなんだな。
 つまりこの御岩神社は創建以来その御山の拝殿として機能しているようだ。
立速日男命。一見、字面をみるとバイクとか改造車の横に書かれている漢字みたいだが
話のわかる神様らしい。

風土記の成立した1300年前にはすでにそこに昔からあって、
現在までここは聖域としてある。
この山では、縄文時代の祭祀跡とみられる遺跡も発掘されているから、
この地はさかのぼればずいぶん長い間、清められてきたものだ。

人の営みはつまりすべて不浄で、それと聖とはいつの時代にもせめぎ合っている。
時代によって神々との付き合い方は大きく変わるにしても、
俗と聖とは陸地と海みたいなもので押したり引いたり。
大きく乖離することはない。

常陸の国風土記に勇壮に語られる、巨人、だいだらボッチの足跡の上に
ヤマトタケルの訪れた里の痕跡の跡に
僕らは今なお暮らしている。
考えれば気が遠くなりそうだが、
聖と俗のはざまで揺れ動きながら
僕らは根気よくまだ人間を続けている。

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さて、不浄と言われようと人間だから腹は減る。
帰りは日立多賀でみつけた御寿司屋さんでチラシを注文。
ネタもよかったし、いい店見つけたなあ。

常陸とは直道(ひたみち)が語源だという説がある。
高い山や大河、湖など交通の障害になるものがなく、
まっすぐ歩きやすい道の続く国、だという。

なるほど、旧水戸街道、国道6号は今日も順調だ。
ちょっと前の夏の終わりの一日のこと。






posted by 前川秀樹 at 18:27| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

秋木偶終了。

暑かった。秋というより夏木偶に近い二日間。
皆さんお疲れさまでした。

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どこか笑える。


初参加の方々も程よく混ざってくれたおかげか、
全体にフレッシュ感ただよう作品が出揃いました。

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初参加のお二人。

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お昼ー。
午前中はあっという間です。

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こちらは二日目のお昼ー。

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食すべきか彫るべきか。

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食すべきか彫るべきか 2

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食す人彫る人。

ゆっくり語らいながらの土器さんの料理。と行きたいところだけど
気はせくし、なかなかこの時間をのんびり、とはならない。それがジレンマ。
うん、気持ちはわかる。

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ちゃんと食べた?いいサメ彫ってます。子供ってほんとにサメ好きだなあ。



さて、二日間、もしくは1日コースで寸暇を惜しんで完成した作品です。

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かなり奇妙な存在感があり色もいい。

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親子作品です。ウサギの頭がえも知れぬ迫力。

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これから講評会ですよ。

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頭が鞭みたい。この勢い!なんかすかっとして気持ちがいい。


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初めてで立派。



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秋空にぼーっとたたずんでます。これも配色がいい。

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かなり手がうまい作者。完成度の高いほっこり系木偶。

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二日で2体完成。組み合わせ木偶は、講座13回目にして初めて出てきました。
この手があったか!
見つめあってます。いや、張り合ってるのか?

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最後にこれ。象飛んでます。なんとも奇天烈なアイデア。
鼻で自立しているんだけど、ほんとに飛んで見えるのが不思議。
絶妙な姿勢と角度、加えてかわいさを併せ持つ。


というわけで、今回も侮りがたい作品が次々と。
1日でとんとんとできる場合もあるし、
逆に2日間でも手が止まってしまって進まない場合もあります。
作業量だけをとってみると、時間はあったほうがいいに決まっていますが、
作業速度とアイデアやイメージをまとめる頭の中の速度はなかなか一致しないもの。
うまくいったときには実に気持ちがいい。

さて、最後に言い訳がましく個人的なことを言えば、
僕自身、連休初日からの超渋滞で、うまく体力の回復がままならず、
なかなか調子が上がらない二日間でした。
どうも今回は、その数日前からパソコンの深刻な不具合、
断れない予期せぬランチの誘い、などなど
準備段階からハプニング続出でリズムが狂いっぱなし。
こんなことも重なるもんだなあ。と最初はちょっとなめてかかっていたら、
一度段取りを踏み外すとこれが思うように元に戻らない。
とはいえそれでは申し訳ないので、取り戻そうと焦る。
で、また余計な一手を打つ。
そのせいか、
当日その場でもなかなか頭が回らず、
後から作品の写真を見て、
講評の時に気がつかなかった作品の魅力が次々見えてきてしまい、
ああ、これは講評でここを指摘すべきだった。
こんなにいいところをなぜ見過ごしたんだろう?
あの人には途中できちんとヘルプやフォローを入れるべきだったなあ。
うーん・・・しまったなあ。

現在そんな反省しきりです。
手とイメージがうまく連動しないことがあるように、
観察力や注意力と言葉の足並みがそろわないこともあるんです。
これはこれで、僕の課題です。

反省を踏まえ、気を取り直し、
集中集中。

また次回、春木偶、がんばりましょう。
皆さんご参加ありがとうございました。
お疲れ様でした。












































posted by 前川秀樹 at 10:35| ワークショップ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月03日

空模様安定に非ず

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不安定な天候にご注意ください。
と毎日のように天気予報の人が言っている。
昨日はとなりの県境をまたいでひどい竜巻があった。
一日中遠くのどこかで、重たい大岩が転がるような遠雷が鳴っている。
突然の発作のように、ざあっと降りだして、
すぐにまたカンカン照り。
夜もまだ蒸す。

夏が居座り続け、最後のあがきをしている。

でもそんな夏と秋のせめぎ合う空中戦は見ものだ。
ふと、戦いに油断したすきに、
迂闊に空がその断面を晒してしまうような、
一瞬が時々ある。
じっと、呆けるくらい見てないと
見逃しちゃうけどね。
posted by 前川秀樹 at 20:44| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月02日

はじまってます。(おわりました)

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秋の木偶の棒講座。
本日より御申し込み受け付け開始されました。
希望される方はこちらから→ 

皆さま、お早めにどうぞ。

*御蔭さまで、お申し込み人数が定員に達しましたので
締め切りとさせていただきます。ありがとうございました。
posted by 前川秀樹 at 14:37| ワークショップ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする