2013年07月31日

8月ルビジノ



サイタサイタ.jpg

そういうわけなんです。

8月 3日(土)4日(日)5日(月)6日(火)オープンです。

最高に暑いですが、
一回休み、などといわずに
今月もルビジノやりますよ。
お待ちしています。
posted by 前川秀樹 at 21:42| ルビジノ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月27日

北海道・4 牧場の日

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今日は、かねてよりメールでやり取りのあった
ミウラさんにごやっかいになる。
ミウラさんは、馬の獣医さんで牧場にお住まい。
12月の青山の個展の時に見に来てくださったかた。
だから半年余りの未だ浅い御縁。

初対面の会話。
え?獣医さんですか?北海道で?
そうなんです。
じゃあ、今度僕が北海道に行ったら、馬の放牧場に入れてもらえませんか。
ええ、いいですよ。
あの、馬糞も分けていただけます?
ええ、い いですけど・・?

個展の会場にふさわしい(?)そんな会話を交わして以来、ここ静内で再開。
(どんな会話だ。)

仮のお住まいが牧場内にあり、ご家族であたたく迎えてくださり、
あちこち案内していただいた。

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厩舎で子育て中のこのおかあさん、サラブレッドじゃなく、乳母役の道産子。
おおきい! 
おとなしいので、触っても大丈夫ですよ。
ええ、いいんですか!
まるまると張りのあるおなかに手のひらを当ててみる。
すごい汗。しっとりと熱い。
大きな動物って、なんかすごいなあ、
ものすごく頼もしくみえる。

ちなみに厩舎の他のサラブレッドをそのあと目にすると、
なんかこっちは本当に9頭身のスーパーモデルみたい。
足、長ー!それに細ー!顔小っさー!
なんかセクハラっぽいな。
え、これ ♂ ?

綺麗、でも壊れそうで近寄りがたい。
実際、乳母の馬に比べてやや神経質、ということだから、
こちらは触れずにながめるだけ。
ちょっと怖い。

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午後、近くの北海道大学の実験農場につれて行ってもらった。
写真の味のある木柵。
明治に畜産の技術指導に来日したエドウィン・ダンさんの指導で拵えられたものらしい。
じゃあ、すくなくとも100年くらいは経ってる?
なんだか、もはや石みたいな風合いだ。
雨ざらしで腐らないのが不思議だ。

牛の糞をさがして、牧場の若い研究員の方に放牧場に案内してもらう。
目的を告げる。

糞の下に穴を掘る、ダイコクコガネという大きな糞虫を探しているんです。
オスは大きな角があってカブトムシみたいですよ。
へえ・・・。
彼らは初耳らしい。

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早速スマホで検索。今時だなあ。
ほどなくして、
おお!かっけー!
と声が聞こえる。
ああ、ダイコクコガネ、画像、の検索が終わったのね。


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いきなりテンションアップで捜索開始。
糞をどけて、孔を探す。

が、一向に見つからず。
結局、気配すら発見かなわずタイムアップ。
時期がちょっと早かったかもしれないなあ。
あるいはここには居ないのかも。
うーん残念。情報不足。

でもまた次の目的がまた出来たので、よしとしよう。
ミウラさん、どうもいろいろお世話になりました。
今度来た時には、ご愛息君も一緒に虫捕りしましょうね。

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北大の研究農場の入口あたりにある、素敵なロケーションの建築。
件のエドウィン博士ゆかりのなんとかかな。
洋風の廃屋って満開の野菊に映えるなあ。



















posted by 前川秀樹 at 08:28| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月24日

北海道・3 静内の浜と意外な御縁のことなど。

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今から242年前。
明治4年のことである。
この静内の沖に、ある船団が着いた。
上陸したのは
阿波藩(現在の徳島県)の500人にも及ぶ家臣団である。

江戸時代、淡路島は阿波藩の支配下にあった。
阿波藩の知藩事、蜂須賀家を本店にたとえるなら
淡路の洲本へは筆頭家老の稲田氏が派遣されており、
洲本城はいわば淡路支店のようなものだった。

明治政府の版籍奉還によって、
本店、蜂須賀家家臣すべてに士族の位が与えられたのに対し
稲田側で、士族となったのは稲田藩主のみ、家臣はすべて卒族とされた。
破格の減給である。
これは困った。
この先どうやって食いつなげばいいのだ。

稲田家臣は、明治政府に対し運動を起こす。
家臣すべての士族への編入と分藩独立を掲げて。

雲行きが怪しくなってきた。

案の定その動きに本店は激怒。
支店の分際で。
しかし、支店とはいえ稲田家は豊かで公家との縁組もあり、
非常に高位だった。
プライドも高い。簡単には要求は譲れない。

きっかけはそれだけではない、
積年、両者の間には根の深い確執があり、
廃藩置県という一大転換点において
必然的に起こった騒動だったに違いない。

明治3年。
とうとう蜂須賀家の一部過激派家臣が決起、
藩知事の制止を振り切り、大量殺傷事件を起こす。
死者17人、けが人20人、投獄監禁300人以上というものだった。
これがのちに言う庚午事変(稲田騒動)である。
明治政府はこれを重く受け止め、
蜂須賀家家臣への厳しい処分を下す。
打ち首10人、八丈島への終身流刑27人、禁固多数。

一方稲田家への処分は、士族への編入を認める代わりに
家臣全員の北海道の静内と色丹島への移住開拓というものだった。
中央集権化を推し進める政府にとって、いまさら藩の独立などという
新たな火種を認めるわけにはいかなかった。
名目上の両成敗とはいえ、こちらもまたあまりに厳しすぎる処分といえた。
事実上のお家解体である。



一連のいきさつは、
船山馨の小説、「お登世」や、最近では「北の零年」という映画に詳しい。
ここ静内には、稲田家臣上陸の碑やお登世の碑などがある。
今も静内(現 新ひだか町)と洲本市は友好都市だ。

僕はその200年後の洲本で育った。
昔、何かで読んだり、母から聞かされた歴史話で、
明治に、沢山の淡路の人が北海道へ開拓に旅立ったことは
ぼんやり知ってはいたけれど、
改めて、郷土史なぞ調べてみたのはこれが初めて。

なるほど、ざっくりそういう話だったのか。
あくまでざっくりなので、勘違いや歴史解釈の偏りなどはご容赦願いたい。


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現在では、このあたり、数多くのサラブレッドの育成牧場で有名だ。
だから静内川に沿ってさかのぼると、見渡す限りの緑野が広がり、
のんびりと馬が草を食んでいるちょっと欧州めいた風景だ。
海沿いの町の中心あたりも大型店舗などが立ち並び、
にぎやかとは言い難いが、それなりに町の顔をしている。
だから、242年前、彼らの目で見た開拓前の風景、
というのは想像することはちょっと難しい。
しかし、屈辱的な無抵抗を貫いた家臣たちに、
追い打ちをかけるような過酷な暮らしが待っていたことは想像に難くない。
記録によると上陸は5月2日
この北の地では春とはいえ未だ冬枯れ残る曠野であったに違いない。
あの島の温暖でのんびりした風景とは似ても似つかぬ
厳しい異国の眺めだったことだろう。
実際、女子供はその地を見て、砂地に突っ伏して泣き叫んだという。

この浜でなあ・・。

もっとも白状すると、
そんな詳細な歴史は旅から帰ってから知ったことなので、
その朝のわずかな時間の浜歩きのときには、
とりたてて感慨深く歩いたわけではない。
ただ、僕はさみしい色の海だなあ、とだけ思った。

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沢山、持って帰りたい面白いものが流れ着いていた。
流木に鹿の角、頭骨、エイの卵苞、ぬいぐるみ・・・。
どれも白茶けて魅力的に映ったけれど、
旅の途中故、そうそう持って帰れるわけもない。
ならせめて写真だけ。
ほら、並べるだけで何かになりそうな予感がする。
やっとちょっと楽しくなってきた。

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四角く大量の石が並べられていて、ちょっと遺跡みたい。
誰がやったんだろう。一人ではないだろう。
ここに居ると、
そこにあるもので即席で何かを作りたくなってしまうのは、
もしや僕だけではないのかも。

寂しく感じることと、
何かを表現したいことは
関係があるのだろうか・・・。

なにかほのかに見えそうな気がしたけれど
残念ながらそこまでで時間切れ、
宿の朝ごはんの時間。

立ち去る前、
遠く懐かしい洲本城跡の石垣の映像が一瞬
僕の頭をよぎった気がしたけど、
多分、気のせいだ。

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posted by 前川秀樹 at 20:31| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月23日

北海道・2 獲物とか宿のご飯とか


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森を見て足元を見ず、なんてもったいないことは決してしない。
ミクロからマクロまで、ちゃんと味わいたい。
というわけで、虫の話。

旅の前半、僕はあちらこちらにひたすらプラコップを埋めて回った。
全部でなんと60個(よくやるよ)
もちろん、腰につけた鈴をふりふり、おっかなびっくりの作業である。
だって、あの茶色のやけに大きな獣が・・・。

何を採るのかといえばいえば、
オオルリオサムシという北海道限定の美しい甲虫である。
しかもこの虫、
この時期にしか見られず、地域によって色合いが違うという。
僕はこれの動いているところが見たくて、
何年も夢見てきた。
本とネットで生態を調べ、孔のあくほど地図を見て、
やっと、実現した。

ここぞ、という場所を選んで、埋めたコップに酢を入れる。
途中で持参したミツカン酢が足りなくなって、
町のスーパーで、2リットル買い足した。
こんな大きい容器初めて。

数日待つ。
今頃、わさわさ入ってたらどうしよう。
夜に動く虫なので、寝ながらも、夢うつつで
あのシダやフキの根元を徘徊する勇ましい姿を思い描く。
どんな獲物でも、わなを仕掛けて待っている時間というのは
なんでこんなに楽しいんだろう。

我慢が限界に達して、いよいよ見に行く。
すでに熊の脅威はすっかり忘れている。
もう、コップの中で蠢くきらきらの背中しか頭には無い。

シダをかき分け目印が見えてくる。
さあ、どうかなー。
居ない。小さな別の甲虫が酢の中に浮かぶだけ。
はずれ。またはずれ。


まあ、そんなもんだ、そうかんたんになあ・・・。
人生ってね。こんなですよ。
ほら、そんな期待とかしてなかったし・・。
と自分を偽りながら、
覗き込んだ最後のあたりのコップに、

ああ!
入ってるー!
まだ元気に動いてるー!

理解のできない怪異に出くわしたわけではないが、
予測が的中する。
それが思い通りに目の前に居る感動というのは
やはり、特別なものがある。
その何が特別なのか?と思われるかもしれないが、
フィクションではないから、必ず結果が待っているというわけではないのだ。
このギャンブル性が自然相手の読み合いゲームの一番楽しいところ。

やー、臭いねえー。
この虫、独特の臭気を噴射するのだ。
そうとう、臭い。
いや、でもいいんだいいんだそんなのは。
ぜーんぜん気にしない。

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こっちは、マイマイカブリ、これもまた北海道のはキタマイマイという別の種類。
なぜ、関門海峡を渡れないのかといえば、
これは飛べない虫だから。
はあ、長年の目的を果たした充実感。
もう、これだけでもいいや。
と一瞬思ったけど、
やっぱり欲もでる。
なので、補虫網に持ち替えて、
他の北の虫も。

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ケマダラカミキリ。これはヨモギとかハンゴンソウによくいる。

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おなじみオオセンチコガネ。去年は秋口だったから沢山いたけど、
この時期は少ない。

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越冬個体のはずなのに裏までぴかぴかだ。

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今回は千歳、静内、日高、と移動しながらの採集旅。
後半は、父和昭と合流して、おっさん二人旅である。
親子で毎年、酔狂な虫獲りなんぞに興じるのは、じつはここ数年のこと。
二人とも実に30年近くのブランクを経て復活した趣味なのだ。
よくやるよ、と我ながら思う。


虫捕りツアコンガイドのプランニングは僕。
宿や食事を切り詰めて、そんなストイックなのは向いてないので、
まあその辺はそこそこの温泉とそこそこの夕飯にあり付ける宿を毎回探す。
どの日にどのあたりの林道を歩くか、グーグルマップを見ながら決める。
何カ月もかけて。楽しみは長続きする方がいい。

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この日はなかでも立派な夕ご飯。
新冠町(旧静内)の海沿いの宿。おかみさんが愛想がよくて、どれもおいしかったなあ。

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こっちは日高の宿の朝ごはん。バイキングといえるほどちゃんとしてなかったけど、まあまあ。

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千歳のホテルの朝ごはん、朝からこんなに食べるのはどうなんだろう。

若いころと違って強行軍はしない。よく休む。よく食べる。
でも、山に入ると、多分普段よりは不思議と疲れない。

こんなにきれいな欠片を見ているだけでなんだか心も体も
澱が洗い流されてゆくようなのだ。

今度は、場所を変えて青いオオルリオサムシが見たいなあ。
プランニングだけならタダだしね。











       





posted by 前川秀樹 at 22:47| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

北海道・1 模索の森のこと。


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昨年に引き続き北海道の森に出かけたのは6月初旬。
もうずいぶん前みたいに感じる。
噂に聞く初夏の北海道というやつを是非一度肌で味わってみたかった。

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おもに歩いたのは、千歳から支笏湖のあたりに広がる広大な国有林。
本州のそれと違って、山地ではない平らなところに、
えんえんと雑木林が広がる。これぞ北海道なのだと感じる。

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大都市札幌を始め、周辺の多くの町の水源ともなる清流が、至る所に流れている。
もちろん、これらさ程大きくない川にもサケは遡上する。

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僕らは漠然と木の生い茂った所を森、と呼んでしまうけれど、
このあたりは原生林ではない。
幾度も人の手が入っているため、巨木は少ない。
2次林、3次林である。
ときおり、“使えなかったために”伐採を免れた大木が
ヌシのように
若い木達を見守るように静かに周囲を圧倒していた。

森は一度人が開いてしまうと通常、最初に日当たりのいいところは
強い葛などのつる植物に覆い尽くされて、
ブナやミズナラやハルニレ、カツラなど森の主役となる大木は
なかなか芽を出すことすら難しくなる。
はずなんだけど、ここに広がっているのはなぜかあのだらしない風景ではなくて、
ピリッとした、多様な植生の森に見えた。
復活が早いのか、これが北の大地の力なのか。

森の中を何筋もの林道が通ってはいるが、そのほとんどが
作業道路であり、一般車は乗り入れることはできない。
基本、太めの主要林道に車を止めて、徒歩である。
いとも簡単に方向を見失い、そんなバカな、
とタカをくくっているうちに
いともかんたんに遭難しそうになる。
足元ばかりに夢中になって、今回も実際たびたびひやりとした。
だからなるべく太陽や、川の位置、大きな木を覚えながら歩く。

今では、
農業や工業の用地として、あるいは材木の伐採のための森から、
水源や、自然保護、教育の場としての森へとその価値は移り変わりつつある。
実際、この広大な土地は、国有林、道有林、市有林のほか、
企業が所有し、植林、下草刈りなどの保全活動がなされている。
ENEOS、ANA、キリンビールなどがそうだ。

森に手を触れず、人が立ち入らないことが、
結局のところ、最良の環境保全なのだ、といってしまうと、
それはつきつめると、人がこの大地から姿を消すのが最良の方法だ、となる。
それは極論だ。
人が大昔のように、そこで狩りをし、食の恵みをいただく依存型に
今さら戻れるわけもなく、
かといって、産業発展のためだけに森を丸裸にすることに何の痛みも感じない、
そんな自然意識もまたとっくに時代遅れだ。


この鮮やかな翠嵐の中をひとりで歩きながら、
濃い酸素を肺にいっぱい吸い込む贅沢を満喫していると、
ふと、むさぼるばかりでなく、かといって依存するでもない、
今だからこそ必要な、人と森の新たな関わり方について考えてしまう。
ああ、そういえば風の谷のナウシカってそういう話だったんだなあ、
なんてことをつらつら思いだしながら。

シダをかき分けた湿った土の上に
黒々としたヒグマの糞を見つけて、
肝を冷やしそうそうに車に戻った。
今だって森の中で人は、この上なくひ弱なままのくせに、
森を離れて人は、とてつもなく強欲で危険な生き物に育ってしまった。
いつの間にか。










posted by 前川秀樹 at 21:01| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月22日

EXPO終了。

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懐かしい顔、いつもの顔。 
初めて木偶を見て、ぽかんとする方、
すっかり自分の作品に見惚れる出品者の方、
講座参加者でありながら、出品には至らなかった方はちょっと悔しそう?
ともあれ、さまざまな方々のおかげで、
初の展示会、木偶の棒EXPO無事、好評のうちに終えることができました。
各方面の方々、どうもありがとうございました。

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なんか彫り出してますけど、、。



 「我々と、まったく違う歴史、文化を持った未知の民族の
知られざる造形物の展示を見ているようだ。
なんか、民族学博物館とかで。」

僕が会場で聞いた一番印象深かった感想。

そう、これぞEXPO。僕はまさにそういう、オーパーツのような展示をしたかった。
先行するテキストがまったく分からず、一見身近に居そうなのに
よく見ると得体のしれない造形物群。
参加者の皆さんの作るそれらの魅力はまさにそこにあると思っていたから。

観賞者を特定のイメージで誘導するまでもなく、
その感想が得られたということは、
今回はフィクションを上手に描けたのではないかと思う。
言い方を変えれば、
上質なホラが吹けた。
という感じ

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懇親会も思いのほか盛り上がってよかったなあ、と。
木偶講座6年目にして初めてお互いを知る希有な機会。
そりゃあ、ほろ酔いの自己紹介だけで十分、場は持つわけで。
僕自身も、ああ、そういうきっかけでこの講座に辿り着いたのか。
と再認識しきり。
バラバラな年齢層、職業、その他。
それが単純な木偶作りという楽しみを共有することで、
仲良くなれるなら、それは素敵なことだなあ、
と思う。
パーティーの盛り上がりからちょっと外れて
夜風のテラスで土器さんと喫煙タイム。
御縁のきっかけになれるのは幸せなことですねえ、
と、煙を見上げながら、しみじみ。

木偶展 0720.JPG
集合写真なんてのも、初。
まあこんなのもいいじゃないですか。

ところで木偶講座は12回13回とまだまだ続きます。
インチキ坊主のナンチャッテ説法も(笑)
次は9月ですよ。

ではみなさん、気持ち新たにまた頑張りましょう。












posted by 前川秀樹 at 09:13| ワークショップ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月10日

DEKU・EXPOお知らせ。

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imgdeku071.jpg 

いきなりの猛暑日にすでに仕事の意欲が著しく減退中の前川です。
そんななか、いや、そんな中だからこそ。
こういうのをやっちゃいます。

名付けて 木偶の棒エキスポ!

DEE’SHALLで、半年ごとに開かれている
木偶の棒講座。
それもいつの間にやら11回、12回?
ともかくずいぶん回を重ねてまいりました。
そこで、過去現在の参加者の方々にご協力願って、
その皆さんの作品を展示しましょう、ということになったわけです。

今回ご協力いただいたのは新旧、織り交ぜて37名。
ご参加ありがとうございます。
玄人でないからこその発想や素材の扱い方。
形の見出し方。それがとてもフレッシュ&ユニーク!なのです。

参加者の方々、その親類縁者、お友達、そしてどんな講座なのか
ご興味のある方。
ぜひともこの機会をお見逃しなく。
そろってお出かけくださいませ。

僕、前川は
3日間、昼以降、会場におります。
ただ、ぼーっと居るのも手持無沙汰ですので、
展示会場では、いつもの講座の時のように、
自分用のミニ作業場をすみっこにしつらえて、
手を動かしている予定でいます。
多分、なんか作っています。
そんな様子もご覧になりたい方、
また、質問等歓迎いたしますので、どうぞ遠慮なくお声をおかけください。
僕の木偶見本も一緒に展示されています。


ちなみにどの作品も今回販売はいたしておりませんので
そのあたりはご了承くださいませ。

会場で皆さまにお会いできるのを
心より楽しみにしています。
posted by 前川秀樹 at 13:23| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広島終了。

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ギャラリータムラ 個展が無事終了いたしました。
僕自身が会場に居られたのは初日丸一日と
他ほんの少しだけの時間だったのですが、
とても充実した時間を過ごさせていただきました。
そのあとも、沢山の方々がお見えになったと伺っています。
みなさま、本当にどうもありがとうございました。
また、新作を携えて、
不安と期待をおともに、
広島にうかがえるのを楽しみにしています。

前川の次の個展は来年5月、青山DEE'S です。
そちらもまたよろしくおねがいいたします。
posted by 前川秀樹 at 07:19| 作品発表、展覧会情報、等。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月09日

デュオローグ。

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MAMA!MILK のニューアルバム。
デュオローグ
とうとう出ます!

これまでさまざまなミュージシャンの方々とのコラボという形で
数々のアルバムを発表されてきたママ・ミルク。
ライブもまた毎回、ステージ上の編成がちょっとずつ違う。
じゃあ、ママ・ミルクの核ってなんなの?
これがもっともスタンダードのオリジナル楽曲、オリジナル音源ってどれ?
という要求に対して彼らの返答が、決定版ともいえるこのアルバム、
「Duologue」
清水さんと生駒さん。
コントラバスとアコーディオンの二つだけの最もシンプルなママ・ミルク。
15年の重みのある聴きごたえ十分のアルバムなんですよ。

別に僕は宣伝係じゃないけど、
昨年末のDEE’S個展で奏でてくれた音が忘れられず。
もちろんファンの一人としても。
さらに御縁として、
今回の新譜のパッケージデザイン一切がっさいを、おなじみ
ミスター・ユニバースの関宙明さんが手がけています。
(僕の像刻写真集VOMERから物語集ZUFRE カード写真集COLLIER まですべてミスターユニバース。)
その甲斐あって(?)、もう凝りまくり、やりたいほーだいのすがすがしさ(笑)。
上の写真は、7月17日に発売される通常版に先駆けて
先月、ひっそり発売された特装版のパッケージ。
型押し、特注箱、リボン付き。
この手作業の跡が嬉しい限りなんです。
それで、僕は今回、
フライヤーにちょこっとテキストというかあおり文みたいなのを
書かせていただきました。
デュオローグに寄せて、といった形ですが、
ちょっとした物語風です。
前篇と後半に分かれていて、フライヤーに掲載されているのは後半の部分。
どこで、全部読めるんだろう?

運よくどこかでフライヤーを手に取られることがありましたら、
ぜひお目汚しにどうぞ。
あ、僕のほかにも5人の方の文が載っています。

デュオローグ。いいですよ。




posted by 前川秀樹 at 08:07| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月08日

わらわら

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材料置き場に置いてあった桜の木。
長さが50センチくらい太さは直径15センチくらいかなあ。
そこから、先月末あたりから、
次々とタマムシが羽化してきた。
プラスチックの衣装ケースに桜材まるまるいれて観察していると
日ごとに羽化個体は増える。
現在9頭目。
タマムシは桜や榎の枯れ木が大好きで、そういう倒木に産卵する。
通常、卵から成虫まで3〜4年といわれている。
ぐずぐずしているうちに像刻を彫る前に先に掘られた。
材料は虫とも獲り合いなのだ。




posted by 前川秀樹 at 07:12| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月05日

7月ルビジノ


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2013 hiroshima

梅雨真っ只中です。
じめじめじっとりはあっても、
予想していたよりちゃんとた雨の日が少ないような。

ルビジノ周辺の蓮田もぐんぐん葉が伸び、
蓮の海原の風景まであと少しといったところです。
花もまもなくと思われますが、まだちょっと見ることはむずかしいかな。

さて、今週末、どうやら猛暑の予報ですが
ルビジノ予定通りオープンします。

7月6日(土)7日(日)8日(月)9日(火)

です。
お待ちしています。

ちなみに写真は
広島市街地から1時間半ばかり北上したあたり、
吉和というところ。
広島は海まで山が迫っているので、ちょっと車で走れば
標高はすぐに1000メートル近くまで達します。
関東平野の感覚に慣れてしまっていると、
その距離感覚がとても新鮮に思えます。
峰々からの水も実に豊富で、
どこの沢も変化に富み美しい。

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2013 hiroshima


吉和には鹿は居ないが、熊は出ます。
北海道に続いて散策にはまた常に鈴の音を響かせながら。
それが基本。
沢あり尾根道あり、草原あり。
どこを歩いても気持ちの良い清らかな山だったなあ。


posted by 前川秀樹 at 12:55| ルビジノ情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月02日

聖地更新

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先日、お水をいただきに海沿いの大洗神社に出かけた。
僕はずいぶん来ていなかった。
境内には立派な茅の輪が。
ああ、夏越の大祓がもうすぐだった。

ふと左の方に眼をやると見慣れないものが。
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なんだ!こりゃ!?
2013062910090000.jpg

これが“聖地”かー!
大洗は、最近のアニメ、ガールズ&パンツァーの舞台として急激に
有名になったそうだ。
だから、あくまでそのファンにとってだけの
限定的聖地なのだろうけども。
そういえばやけにそういった類の看板やポスターが駅周辺やお店で
眼に着くなあと思っていた。
なるほど、
実体験できる舞台の一つ、
ファンのお参りといえばここなのだろう。
じゃあ今、町は聖地だらけなのだ。

それにしても、ただのヒノキの板に皆上手に描くものだ。
絵馬掛けはさながら、イラストの腕試しのスタジアムの様相を呈している。
願いを込めるというよりも、純粋に思いを奉納するといった絵馬のほうが多い。
うーん、限定的ではあってもこれはかえって神社の本来的なあり方なのでは・・・。
とも思う。
ちょっと調べてみると
絵馬は祈願や祈願のかなったお礼として奉納したもの、とある。
室町時代には、神社には狩野派など有名な絵師による絵馬が次々と奉納され
それを飾り見学するために建てられたのが絵馬堂だという。
なるほど、つまりこれが、日本でのギャラリーの原型なのだ。

絵や芸の出来を神前で競い合うことが奉納となったのだろう。
アニメというのはある意味で非常に現代的な形での俗絵の最先端だと思う。
いわゆる伝統とも芸術ともちょっと違うのだろうが、
少なくとも現代に力強く息づく手技のひとつには違いがない。

参拝者や聖地巡りのファンたちが増えたという大洗の町。
どうせ一時的なブームだから、と捨て鉢にならずに
これを機会に古いものと新しいものの融合、そして再生、更新の
一つのモデルケースになってもらいたいものだ、
と思う。
大洗磯前神社のご祭神は大己貴命(オオナムチノミコト)。
日本の神様は
信じられないほど柔軟で、懐の深いところがまあ一番いいところだね。

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posted by 前川秀樹 at 08:07| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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