2012年09月14日

北国行 その2


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ああ、今日も雨。
一日止みそうにない予報。
早起きして昨日仕掛けたトラップを見て回るが、
昆虫はまったくだめ。
無理もない。

よし、今日は予定変更。
午後は石にしよう。

高速道路にのって、日高からさらに東へ1時間。
そこからさらに北上1時間弱。

このあたりは黒曜石が産出するそうなのだ。
黒曜石、オプシディアンともいう。
矢じりや手斧の原材料として有名なあの美しい漆黒のガラス質の鉱物。

それもまた僕にとっては憧れの石なのだ。
もちろん原石なんて見たことがない。
まさかあのつるりとした鋭利なままの状態で
河原に転がっているわけではないだろう。
       
途中、道の駅に立ち寄ると、おおお!なんと置いてある。
隅っこでほこりをかぶって。
ジャガイモほどの大きさの黒っぽい丸いモノが。
表面はでも削られて白っぽい。
丸いということは、やはり河原の流石には違いない。

「あの、これ十勝石(黒曜石の地元での呼び名)ですか?」
若い店員さんに聞くと。

「はい、そうですよ。」
「売り物ですか?」
「はい、ええと一つ300円です。」

安!
そうか、これを割り砕くのか。
とりあえず、いくつか購入する。
あっさり手に入った。
もうこれでいいじゃん。
いやいや。
やっぱり自分で見つけないと。
地図を見直して。さらに車を走らせる。
車はどんどん細い林道へ。

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この沢に違いないと思うんだけど、
河原なんて無いよなあ。増水してて危ないし
だいたいどうやって下に降りるの?

地図上では林道に沿って沢は伸びてる。
車を止めて歩いてみるかね。
どこかで降りられるだろ。

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林というか森。しかも雨のせいで、砂利道以外は一面の湿地になってる。
ああ、でもなんかこの感じ好きかも。
水を含んだ地面と、木々の根の間にたまる濃い褐色の水。
この色は、植物の養分がたっぷり溶けだしたものなんだなきっと。

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一面に茂るトクサの中に鹿の道がくっきり。
鹿め、やつらこんなぬかるみも平気なんだな。
長靴はいてないのに。さすが4つ足の獣。

やっと小さな河原発見。
そっと降りてみる。
たぶんここくらいしか、降りられるところなんてなさそう。
ここに決めた。
黒い石、黒い石。
まあ、あるけどねえ、、、。
どれがそう?
それっぽいのを拾ってみるけど確証が持てない。
どれも黒いよ。
先ほど道の駅で手に入れたサンプルと比較してみる。
んーん、似てるような、違うような。
正解がわかりません。

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仕方がない、割る。
次々割る。

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おお、これはちょっと、
正解。あの割れ方だ。きれい。
ああ、ほんとに黒ガラスだ。
天然石とは思えない。

よし、石の肌の感じはつかんだ。
これ以上河原の無為な破壊はやめよう。
コツがわかると、こんな小さな河原でも次々見つかる。
合計20個ばかり。
うん、これはうれしい。
一つくらいは矢じりつくれるかな。

もっと大きいのがほしいけど、
これ以上は長靴では無理。
上流に歩いて行ければいいのだが、
いやいや、こういうときに大事なことを忘れちゃいけない。

深追いしないこと。足るを知ること。

今日はこれで十分楽しんだ。

帰ろ。

ところが、
その後にわかに雨が激しくなり、なんと高速道路ストップ。
下の道に降りて、トンネルを越えたところでそこも通行止め。
なにー!?
もしかして、宿まで帰れない?
もう日が暮れるよ。
どうすんの?

しかたない、再び高速にのって、一つ戻る。
遠回りだけどそこから峠越えの国道ルートしかないのかー。
標高も1000メートル超えるくねくね道。
大丈夫かな。

もうあたりは真っ暗、激しい雨と霧。
携帯も圏外。もちろん店はおろか民家すら、、、。
道路地図をみると、ダイナミックな眺めが楽しめる樹海ロード。
って書いてある。
いや、楽しめそうにありません。
それどころか中央車線すら見えん。
ある意味ダイナミックでしょうよ。
でもこの国道も先で通行止めだったら、他に道はなさそう。
今夜どうする?
スリップとかがけ崩れとか、、、。
やばいのか?これ?
と、はじめて思った。
それでも携帯の繋がる場所から宿に電話を入れ、
時折猛スピードですれ違う対向車に勇気づけられて、
なんとか、峠を越えて、日高までたどり着いた。

胸をなでおろす。
夜の豪雨の樹海ロード。
たしかにダイナミックだった。

宿の夕飯の時間はとっくに過ぎていたのに、
僕の分ともうひとり分、誰かの分と、
別室にちゃんと用意してくれてた。
ああ、もうひとり誰か着いてないんだな。

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食べかけてから、気がついて写真1枚。

うう、ありがたい。
宿のひと、御心配をおかけしました。
暖かいご飯がしみます。
でも宿のフロントのおかみさん。
こともなさげに、

「ああ、道東道はしょっちゅう止まりますからねえ。でもお客さん、
思ったより早いお帰りでしたね。」

あ、ああ、そうなの、よくあるんだ。

今日のところは、これは、
深追いせずに、吉、としておくべきなんだな。
そうしよう。

夜中に部屋で石を洗って
新聞紙のうえに広げてから寝た。
長かった1日。
























posted by 前川秀樹 at 22:11| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

北国行 その1

4年ぶり3回目の北海道
魅かれ焦がれる地。
なのに、
まったく仕事抜きの旅は今回が実は初めて。
ちなみに前回はこんな感じ


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今回は最初から最後まで川また川。
とにかく川がすばらしかった。
宿は日高にとった。、
南北に流れる一番大きな河は沙流川。
大きな河、小さな川、流れこむ無数の沢。
そのどれにももちろん名前は付いているけど、
支流の沢にはいまも漢字は当てられておらず、
地図も案内板もカタカナ表記だ。
沙流川沿いにもチロロ、ベンケヌーシ、シドニ、スクシュベツ、等々。

雨のたびに削られ形を変える龍のような流れのほとりで、
やや不思議な気分になる。
ヤマト民族とは根底から違う文化の根ざす場所。
川と人の関係もまた全然違う気がしてくる。

何というか川が飼いならされてないんだな。
人と対等というか。

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ちなみにこれが今回の一番気持ちのよかった河を見下ろす場所。
沙流川の南支流であるチロロ川。ここは漢字もある。千呂露と書く。
チロロとはキロロアン(面白い、興味深い場所、)からの転嫁とされるが詳細は分からない。
かつてサケが面白いように獲れ、上流へ登れば鹿が愉快なほど狩ることができた。
との説もある。
ちなみに沙流川のサルはアイヌ語では、葦の生い茂るところ。という意味だ。

うん、見下ろしていると、心なしか、気持がすかっとしてくる。

4日間すべて雨でどこも増水して、泥の色にうねる川。
ここには2度行ったけど、不思議とここに立つときに太陽が顔を出す。
水もここだけ青い。

こんなにきれいなのに却ってそのことがちょっと怖くなる。
川に対して、決して不敬を働くべからず。
そんな気分。                  









posted by 前川秀樹 at 20:19| LOLO CALO HARMATAN | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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