2011年05月27日

ズフラのこと

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本、というものが近い将来すべて電子化されたり、配信されるものになるだろう。
という人がいます。
本とは情報である、ということであれば、その通りとなるでしょう。
しかし、
途方もない時間、存在していた紙の束というモノが果たして
人々のもとから、完全になくなったりするだろうか?

本とは何か大事なことや素敵なことや、忘れたくないものが書かれている
モノでもあると思うのです。
人はモノに刻まれた履歴や記憶に、時間を見出します。
中に書かれている情報だけが本の本質ではないように思います。

電子化が進めば一方でそのことは際立ってくるに違いありません。

信陽堂ミスターユニバース、そして僕。
3方向から話し合って、
表紙やページの紙の色が日に焼けて褪せても、
ずっと手元に置いて置きたくなるような、
作品のような本を作りたいね。
と最初にスタートしました。
むろん、若干のメンバーの違いはあれ
写真集「VOMER」の時も
それは同じ志でした。

予算内でしかも厳しい時間制限。
その中でできてきた本。
デザイナー関君の紙もの、印刷物へのこだわり全開。
素晴らしい。

少部数発行。配本は直版か個展会場。
バーコードの付かない個人出版の本。
作品のような出版物。
それもその筈。
パッケージも、先行予約のおまけエッチング、その封筒に至るまですべてアイデア出しの上に成り立った、工夫を極めた手作りですから。


出版、装丁が
編集者とデザイナーの作品なら、
ものがたりを書くというのが著者の役割。
それもまた楽しい創作行為でした。
片手で持ちよい形の本を改めて開いて、
いまさらながら物語の字を追ってみると、
言い回しやリズムの緩急や、筋道の通し方。主題。
どこをとっても、修理、改善の余地のたっぷりと残る代物です。
我ながら。
しかし、それはどこかで線引きをしなければ形にはならないもので、
今回の線引きは、これでいい、と僕が決めたものなのです。

反省は次に向かうための土台ですから、
次はもうちょっと上手にできるかもしれない。

そう、次があるのです。
最初の打ち合わせの時に、こんな提案がありました。
展覧会のたびに
1冊ずつ本が増えていくと、楽しみですね。と。
なるほど、それはできるかもしれない。

1冊目のズフラは、何も決めずに物語を手探りで書き始めてから
完成まで半年とちょっと。
次の個展までには1年半あるんだから、
いいのが書けさえすれば、できるはず。
そう考えると、
もう次何を書こうかな、、、。
と楽しみにもなってくる。どんな像を彫ろうかな、というのとそれは同じもののようです。

今回お買い求めてくださった方々には本当に感謝です。
特に先行予約までしてくださった方々。
未だ形のないものに、いわば投資をしてくださった形となるわけで、
これは途中、僕は大いに元気づけられましたし、本当にありがたかったです。
装丁を見て、薄紙をめくり、ページをめくって読んでくださった方
そのうえで、ご興味をもたれた方は是非。(範囲狭いな(笑))
2冊目。お楽しみにしていてください。
いえ、次も買ってください(笑)

僕らはまた、“捨てられない本”の提案に、次も挑戦したいと思います。

なお、「ZUHRE」は引き続き、信陽堂に直接の御注文で購入ができます。
また、前川の個展会場でも引き続き配布を予定しております。
部数に限りがありますが、今しばらくは在庫がございます。








posted by 前川秀樹 at 21:32| 作品集出版 雑誌掲載情報。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

gwener 終了。

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地震のあと、
自分が何をするべきかを考え、、る間もあまりなく、
僕はアトリエで木を刻みました。

電気も水道も止まって、ガソリンも少なく、
あわてても仕方がないと開き直ってしまったし、
とりわけ他にすることがなかったからです。
他にやることがない。
それは消去法というよりも、
つくるという行為によってのみ
自分はここに生かされているのだ、という事実が
大きな地震いによってむき出しにされたからです。

あれから約2カ月後、
「gwener」が無事幕を開けました。
“あの事”の前後で作品は変わったか?
心理的影響はあったか?
そういった質問を今回は幾人からもいただきました。

あったといえばあったし、何も変わらないといえばその通りなので、
どちらともいえません。とあいまいに答えるしかありませんでした。

作品、あるいは表現されたもの、というのは、
いわば作者の内側の世界と外側の世界を隔てる緞帳に、
わずか開いた隙間のようなものです。
その隙間を舞台の上から見るか、観客席から見るか。
そういうものなのだと思います。

舞台の内側でどんなことが起こっていようと、
観客の側からは、そのわずか開いた隙間に写る一瞬の光景から類推するほかありません。 

それは言うまでもなく内側では色々とあったのです。
けれど、さらにその緞帳を全開にして、すべて見てください。
と、やるわけにはいきませんし、そんなことしようとも思いません。



「gwener」
星を観るしかないそんな夕暮れに。

さまざまな感想をいただきました。

これまでもずっと見ていただいている方々の目に、変化が映ったとするなら
それが、作り手の成長ですし、大きな事件が作り手に与えた目に見える影響なのでしょう。

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前回よりも作品も増やして、力強く、そして静かに。
予定されたことを当り前にやりたかったのです。
今この時にこそそれが出来ないようでは、
ファンタジーが、メッセージとしてきちんと機能しないような気がしたからなんです。

おかげさまで、さまざまいただいたご心配の言葉と
好評のうちに終えることができました。

つくる意味。
人に伝える意義。
分かってもらいたいという意地。

4回目にして明瞭になった部分も多々ありました。
さて、だからと言って、
がらりと作風が変化する、ということは無いのでしょう、きっと。
そもそも変化が著しく誰にもわかるような
個性的な作風など確立されているわけでもないですし。

次回。
同じく青山DEE’S HALLでは、来年2012年12月が予定されています。日々淡々と畑を耕す農夫のように、木を刻みたいと思います。
その収穫は1年半後。
今回会場でお会いできた沢山の方々。また残念ながらお会いできなかった方々。
東京ではまた来年、お会いしましょう。
沢山の感謝をこめて。
ありがとうございました。


追記

東京では来年ですが、直近の個展は“今年12月”に控えています。
広島ぎゃらりーたむらです。
西の方面の方々。楽しみにお待ちください。こちらも前回よりも増量パワーアップを心がけて
頑張ります。
posted by 前川秀樹 at 07:55| 作品発表、展覧会情報、等。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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