5月半ばの着工から3カ月足らず。
ようやく、倉庫が“ほぼ”完成した。
名前は「dalda」隠し場所。
ここに越してきて10年。とにかくものが増えてしまって、
雨の当たらない大きめの物置がほしい、
とりあえずなんでもほうりこめて、同時に大事なものも整頓してしまっておけるような。
最初は確かに物置き、のつもりだったのに、
モノツクリのサガ。案の定だんだんやりたいことが増えてきて、
結局、ずいぶん立派なものになってしまった。
細部のデザインや造作はいつものようにセルフ。
設計は幸設計事務所の小川幸起さん。DEE’S木偶ワークショップでもすっかり常連さんの幸起さん。
今回は初めて本業の図面の世界でお願いをした。役場への書類づくりも含めて。
次々代わる、施主のプランというか思いつきにその都度、千葉の四街道から駆け付けてくれた。
さぞや大変だったでしょう(笑)どうもありがとう。
お世話になりました。
施工はいつものリベラル大工、ヨシタケのたけちゃん。
10年前母屋を建てて以来、幾度となくたけちゃんとはコンビを組んできた。とにかく施工、電気、水道、古い家具や建具に中古機械の調達、
鉄のパーツの制作。
驚くほどなんでも速くやってのけるので、僕はすっかり頼りにしている。
6月に僕がジャワに逃避したりして、途中ちょっと工事が空いたんだけど、
楽しい現場だった。
ただ7月は暑かった。
加えて外壁がほぼすべて真黒なので、
今年の殺人的な日射を受けて外壁の温度はおそらく7〜80℃にはなる、いやいやもっとかな。
なにしろ熱くて屋根のトタンに手をつくことができないのだ。
こんな条件下での屋根の上での危険な作業を、板金屋のサカイさんとたけちゃんは毎日こなす。
慣れているとはいえ、まずタフなのだ。
ジャワでお世話になったアッセやアリフ達のことを思い出す。
ある猛暑日の午前中。
僕は実は軒下の塗装をしていて、足場から落下した。
ふらついて、左足が足場板を載せた脚立を踏み外し
そのまま落下したのだ。
瞬間、必死に何かをつかもうとするが、すでに張り出した軒先も垂直の壁も指先の数10センチ先。
左手に塗装缶、右手にローラーではどの道何かをつかむのは無謀だったんだけど。
幸い、倒れた脚立の上に足から落ちて、そのまま地面に尻もちをついたので打ち身ですんだ。
尻もちのすぐ後に左手の油性黒ペンキが顔に降ってきた。
二人とも音に気がついて屋根からすごい速さで降りてきてくれた。
素人がプロの現場に手を出すのはともかく、落ちてはいかんよ落ちてはな。
ああ、怖かった。膝の震えがしばらく収まらなかった。
サカイさんもたけちゃんも落下経験をそれぞれ持っていて、
二人とももれなく骨折経験付き。
たけちゃんに至っては利き手の右手を何度も手術した。確か当時、彼の右手首の皮膚からはサイボーグみたいな金属の骨の補助矯正具が出てたなあ。
油断禁物、肝に銘じます。
昨日、最後の細かいタッチアップの作業にたけちゃんが一人で来てくれた。
出来上がるのはうれしいことだけど、終わるのはいつもちょっとさみしいものだ。日がちょっと傾いてきたころ、
蚊を払いながら、外のいすでちょっと二人でクールダウン。
じゃ、またよろしくね。
さて、この大人の秘密基地には何を隠そうかねえ。
馬鹿みたいに沢山の引き出しも、今は空っぽの状態だけど。
でも、ここから先の作業はちょっと涼しくなってからにしようかな。
屋外の力仕事にはちょっと暑すぎるよ。