約1年かけて、少しずつ少しずつ、我が家の2階のかなりの容積を
占有し続けてきた、像刻たちが、
今日、ぽっかりとなくなった。
そのうつろは
知らないうちに少しずつ満ちてきた潮が、一気に引いたみたいで、
津波の前兆にも思えた。
そうして今日、
昼前に、展示作業を続けていた、DEE’Sに
本が、
VOMERが届いた。
しかし、いくつもの包みはすぐに開かれることはなく、
皆で、展示作業が終わるまで。
と我慢をして、作業は続けられた。
真新しいインクのにおいと、手に触れるなめらかな背表紙と美しい色。
それに触れたのは日も傾き始めた、3時になるころだった。
山あり谷あり。七転び八起き。暗中模索。
チームで挑んで、やっと手にする1年間の実り。
本当に沢山の人たちにかかわっていただいた。
楽しかったなあ。
あんなに満ち足りた本気の遊びを
僕らは一生のうちに一体どれだけできるだろう?
その感慨の波がつなみの第1波だった。
しばらく、見入った後。
改めてまた、あるべき場所に居並ぶ像刻たちのさまを眺める。
ああ、たくさん作ったなあ。
あれを彫ったころは確か、ヒグラシが鳴いてた。
落ち着いて、静かに静かにやってくる、第2波。
そして、
明日。「ウルゲル」初日。
今年一番の寒波とともにやってくるであろう第3波。
来てくださる人たちからどんな波が返ってくるのか。
後は僕はちょっと高台に避難して(笑)
沖を眺めて、
やってくる波を待つのみだ。
不安と期待と。
準備万端。
ウルゲル。開演です。
どうぞご覧あれ。