師走になった。
一年あっという間だねえ。
年賀状どうしようかねえ。
そんなことを言っている隙間がどこにあるというのだ。
後2週間しかない!
今の僕にとっては
1年振り返るどころか、
その残りの時間のほうがずっとずっと現実的で重いのだ。
もちろん、像刻展の搬入日までの時間である。
DMも発送した。
関さん達の怒涛の追い込みのおかげで、像刻本「VOMER」の最終入稿も終わった。
ほかはこまごま、会期中のスケジュールの調整とか、展示台を作り直したり、資料のための作品の撮影をしたりしながら、
さらに、
この期に及んで、まだ作品を作り足している。
いろいろな積み重なる不安から逃れるためには
とりあえず手を動かす。
これが唯一の僕の方法なので、
矛盾するようだがまあ作ること自体が、前向きで生産的な逃避なのだ。
また、そんなときに、ひょいっと
いいのができてしまったりするから、
時間のあるなしで、善し悪しの大半が左右されるわけでもないんだな
と、
いまさらながら学習する毎日。
とはいえ、ああ、
でも1ヶ月くらい旅行とか、あ、パリに行きたいなぁ。
「ウルゲル」
楽しみにしてくださっている沢山の方々の期待を、
ぐらりっと裏切るような
そんなとんでもない後ろ向き逃避を、今したら、
どうなっちゃうのかなあ。
前川秀樹現在行方不明、とか言って。
なんてことを具体的に想像してみて
ちょっと、ぞぞっと怖くなって、
また、後何日、という現実に戻ってくる。
頭の中で、その繰り返しをしてたわむれてみたり。
そんなこと
考えながら
毎日彫ってるんですよ。
僕は。